レイストーム(アーケードゲーム◆タイトー)

【稼働開始日】 1996年
【発売元】 タイトー
【開発元】 タイトー
【ジャンル】 シューティングゲーム

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概要 (説明は『Wikipedia』より)

1994年に登場し、斬新かつ奥深いシステムと職人技の演出で、シューター達に神格化された名作STG『レイフォース』の続編。

だがストーリー上では直接の繋がりはなく、同じ世界観を踏襲した前作及び『レイクライシス』のパラレルワールドが舞台となっている。

『レイフォース』は2Dドットで描かれた作品であったが、本作は「3Dポリゴン」描写を採用。

この理由は、アーケード版ではFXシステムと言うPS互換基板を起用したため、2Dドットよりも3Dポリゴンの方が描写に優れているから。

この性能は互換元であるプレイステーションも同様であり、当初より家庭用ハードへの移植を考慮していたのか、プレイステーション版の移植度は極めて高い。

本作は、【RAY】の名を冠していながら前作「レイフォース」と関わりがないように思えるが、実は設定上に関係性が隠されている。

自機選択、スペシャルアタック(緊急回避用ボム)の搭載、そしてロックオンレーザーの性能向上。

ロックオンは前作が自機と違う高さにいる敵しかロックオンできなかったのに対し、本作では同一高度にいる敵もロックオンできるようになった。

これにより「接近する事で殲滅速度を上昇させる」というテクニックが追加された。

このテクニックは同時に「敵の射撃に反応し難い」シューティングゲームとしては大きなデメリットを併せ持ち、ゲーム性を深めている。

全ロックオンを同じ的1箇所に集中させると、高威力のハイパーレーザーに変化する。

スペシャルアタックは、画面上部に大爆発を発生させる。

これにもスコア倍率があり、多くの敵機を巻き込むと大幅にスコアが稼げる攻防一体の側面を持っている。

ショットとロックオンレーザーを別のボタンで撃ち分けられるManualモードと、どちらの攻撃もひとつのボタンで同時に撃つ初心者向けのautoモードが搭載。

autoモードではショットとロックオンレーザーを撃ち分けられないので、ハイパーレーザーを使用するにはロックオン終了までショットも止めなければならない。

自機は新機体2機。

前作はドットを用いた演出だったのに対し、本作は全編ポリゴンによる三次元描写となっている。

96年の作品ながら三次元描写を用いたその演出は非常にクオリティが高く、2010年代の現在でも、本作と同等の三次元演出で魅せるSTGはそう多くない。

前作のようなシームレス・「背景で語る」といった表現方法はないが、美しいポリゴングラフィックと大胆なカメラワークを兼ね揃えた豪華な演出が揃う。

高速で渓谷を疾走する「パルミラ渓谷」、ホーミングレーザーや対艦ミサイルを掻い潜りながら強行突破する「地球連合第三艦隊」、配置された大量の敵機を高々度から襲撃する「敵首都エトルリア上空」など、バリエーションも実に素晴らしい。

第三艦隊戦で眼下に見える地球、一部のボス戦のめまぐるしい背景の動きで戦闘の苛烈さを表現する演出も地味ながら秀逸。

ゲーム中に何気なく流れている英語音声もしっかりとゲームの内容に関係しており、聞き取って翻訳してみると実に興味深い。

本作の演出の中でも取り分け目を引くのがボスの変形ギミックである。

ガイセリックやユグドラシルの変形ギミックは思わず見入るほど。

凶悪な強さで有名な「敵首都エトルリア上空」のボス・アラリックもまた、ユーザーからの人気が特に高い。

「マスターグレード Zガンダム」をいじくりまわして考え出したと言われているだけあって、外観・変形ギミック共に非常にカッコいい。

余談だがこのボスの高速変形に使用される慣性低減装置の製造にはハマチから採取する物質が必要という設定がある。

レイフォースでも搭載されていたボスの部位破壊も健在。

様々な箇所がロックオン・破壊可能。

前作同様BGMの評価は高く、作曲者もTAMAYOこと河本圭代氏が引き続き担当している。

前作がどちらかと言えばSFを意識した曲調であったのに対し、本作では2面BGM「AQUARIUM」などで本物のイルカの鳴き声を使うなど、幻惑・幻想的なアレンジの加わったハウス調の曲が多い。

設置されたゲームセンターの音量設定にもよるが、特にコイン投入時の画面(所謂PUSH STARTが表示される待ち画面)に流れる荘厳なピアノ曲「ORIGIN」は極めて圧巻で、その衝撃は初めて触れる多くのプレイヤーの度肝を抜いた。

全体のBGMの雰囲気は前作『レイフォース』を踏襲しており、1面BGM「GEOMETRIC CITY」はレイフォースの1面「PENETRATION」を意識した曲調になっている。

ゲーム中ストーリーを意識した曲調の変化も健在で、本作では佳境に入っていくにつれBGMが悲壮さを増していく。

それが特に現れているのが7面BGM「SLAUGHTER HOUR」。

三次元描写を用いたSTGの多くに言える事だが、ダイナミックなカメラワークと三次元描写により演出と引き換えに「敵機や敵弾が背景に紛れて見にくい」という問題が生じてしまっている。

ロックオンレーザーの仕様変更とスペシャルアタックの追加でゲーム性に大きく深みが増したが、その分パターンの構築が複雑化してしまったため、難易度がかなり高くなってしまっている。

ゲームバランスは悪い訳ではないが、「ミスによるランク下げが前提」での調整がされており、全面完走でさえ至難の業。

美しいドットグラフィックとシームレスが失われたものの、それ以外の全ての面で大きく進化しており、サウンドもより新しい方向性へと邁進している。

PS互換基板をベースとして開発されただけあってPS版の移植度も高く、少々鼻につく難易度の高さもコンシューマーならば相殺できる事も相まって、非常に完成度が高く、欠点の少ない一作となっている。

PSストアで格安で配信されていおり、今ならHD版もあるので、興味のある人であれば購入する価値は十分あるだろう。

●ストーリー

大まかなあらすじは「オーバーテクノロジーを搭載した最新鋭戦闘機に地球の命運を託す」というありがちなもの。

今回は「人類の生存のために母星を破壊する」レイフォースに比べて悲壮なストーリーではないとされがちだが、実際やっていることは人類同士の殲滅戦と悲惨。

敵勢力である「セシリア連合」、その本拠地である「衛星セシリア」は地球人の殖民衛星。

セシリア連合が蜂起した目的は地球政府による圧政からの解放であり、街を一つ破壊した後に降伏した地球政府に地球の破壊を宣言。

また、地球側の主戦力はセシリアに奪われ、地球側の頼りになる戦力はセシリア側の科学者が亡命することで偶然手に入れた、謎のオーバーテクノロジー「LAY」を搭載した13機の「R-GRAY」のみ。

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