【稼働開始日】 1997年3月20日
【発売元】 ナムコ
【開発元】 ナムコ
【ジャンル】 格闘ゲーム
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概要 (説明は『Wikipedia』より)
3D格闘ゲームを代表するシリーズの3作目。
前作『鉄拳2』から19年後を舞台とし、既存キャラの多くが世代交代を遂げることになった。
主人公は前作までの主人公格「三島一八」の息子である『風間仁』。
システム面でも大きな改良が施され、後のシリーズの基礎を確立させた作品となった。
今作品も家庭用に移植され、2018年までに全世界で832万本を売り上げた。
これはカプコンの『ストリートファイター2』を抜き、格闘ゲームジャンルでは最大の売上本数である。
「横移動」システムが追加。
レバーを上・下のいずれかに素早く入れてからニュートラルに戻すことで、軸をずらして画面奥もしくは手前に移動できる。
代わりに従来の「小ジャンプ」「一瞬だけしゃがむ」がレバーの上下で行えなくなったが、これはレバーの斜め上下で代替えが可能)
前作までは各使用キャラに対応した中ボスキャラが存在していたが、対応キャラのコンパチに当たるキャラクターが多かったため、廃止によって技構成・操作体系の面において重複していたキャラクターの大部分が淘汰された。
本作では1人プレイの際に固定で登場する中ボスが三島平八(平八使用時は風間仁)のみとなっている。
横移動の追加による3D空間を活かした駆け引きの概念の導入。
横移動そのものは『バーチャファイター3』で既に採用されていたシステムではあるが、そちらでは専用のボタンを使う必要があったのに対し、レバー入れだけで出すことができ、非常に入力しやすい。
この操作形態はVFにも受け継がれていくことになる。
その他にも「投げ抜け」や「受け身」など、様々な細かい点で新要素の追加や調整がされている。
前作まではキャラクターがビジュアルやデザインコンセプト両面で濃くB級な雰囲気を漂わせていたが、前作より高性能の基板を採用しグラフィックが強化され、キャラの体型のデフォルメが無くなった。
それに加え、主人公の空手家「風間仁」やそのライバルであるテコンドー拳士「ファラン」、中国拳法を使うヒロイン「リン・シャオユウ」など、新キャラの面々は往年の格闘ゲームキャラの王道を意識し、アクの取れた純粋に格好いいキャラ造形となっている。
前作からのキャラもイメージが一新されるなど、イロモノ的な雰囲気はやや抑えめで全体的にスタイリッシュになっている。
ボイスも大幅に一新され、インターフェイスやBGMなどもそれに合わせたものになっている。
その一方で、旧作からさらに人間離れした宇宙忍者「吉光」や、人間ですらない「クマ」も引き続き登場、果ては生物やロボットという概念すら超越した新キャラ「木人」など、『鉄拳』シリーズのイロモノ感満載の濃さはキッチリと引き継がれている。
本作で特筆すべきはキャラクターの技モーション。
実際の格闘家からモーションチャプチャーすることで、非常にリアルで滑らかな動きを実現している。
それが最もよく現れているのが新キャラであるテコンドー使いの「ファラン」とカポエイラ使いの「エディ」。
どちらもその道の達人のモーションをキャプチャーしている。
前作まではニュートラルポーズの流用が多く、流用以外でも「左腕を立て、右手を左肘の高さに構える(ポールや一八など)」「両拳をボクサー風に水平に構える(平八や準など)」といった似たり寄ったりなものが目立っていたが、本作ではニュートラルポーズが前作のイメージを残しつつ多様化し、他のキャラとの共有がなくなった。
木人の登場により、元キャラの判別性を高める必要が生じたことも影響していると思われる。
この傾向は『タッグトーナメント』で再登場した旧キャラにも引き継がれている。
1キャラあたりの技の数が全体的に前作より大幅に増えている。
加えて、通常時とは別の技を出せる「構え」の存在。
これにより、ライト層には「適当なガチャプレイでも様になったような動きが可能」、ヘビー層には「的確な操作は非常に複雑で奥深く、慣れれば操作するだけでも快感が得られる」という、お互いのユーザーを満足させる反目するような特徴を両方備えることができた。
勿論、難しい操作を要求しないポールやロウなど、極める目的でも使いやすいキャラもいる。
前作から大きく進化したとはいえ、ゲームバランスは、キャラ性能面、ゲームシステム面共にやはりまだまだ未成熟。
さらに当時流行していたバックダッシュを使いこなしたスカし戦法が賛否両論だった。
新機軸の『横移動』の追加による3D空間を活かしたゲーム性の導入やビジュアルイメージの一新とグラフィックの向上によるゲーム全体の雰囲気の変化、より個性的になったキャラクターたちやストーリーなど、見どころは多い。
一方でやはりというべきか、ゲームバランスの面では粗が否めず良くいえば爽快感あふれる、悪くいえば大味すぎるゲームとなったが、前作までの粗削りさはだいぶ改善されてきてはいる。
システムやゲーム性の根幹も本作て確立され、対戦ツールとしての基盤がここにきてようやく整ったと言えるだろう。
以降、本作そのものが後続のシリーズ作品のベースとして受け継がれていくことになる。
●キャラクター
・風間 仁(声:千葉一伸)
本作の主人公。
平八使用時の中ボス。
前作のボスキャラ「三島一八」と前作のプレイヤーキャラ「風間準」の間に生まれた子供。
母を奪った闘神への復讐を誓い、祖父・平八に師事して格闘を学び第3回大会に臨む。
格闘スタイルは「三島流喧嘩空手改+風間流護身術(母から教わったもの+我流)」。
前作までの一八の後継・発展キャラとして風神拳など同種の技を用い、それに準の固有技を加えたハイブリッドキャラとなっている。
・凌暁雨(声:冬馬由美)
前作までに登場した「王椋雷」の遠戚かつ拳法の弟子である中国人の女子高生。
大人顔負けの拳法使いながら世界中のテーマパークや遊園地が大好きな子供っぽい性格で、理想の遊園地を中国に建てる当てを求めて平八に接近。
取り押さえようとした鉄拳衆を返り討ちにしたことで平八に実力を認められ、「第3回大会に優勝したら思い通りの遊園地を建ててやる」という約束を取り付けて大会に参加する。
格闘スタイルは「八掛拳・劈掛拳をベースとした各種中国拳法」。
設定に反してワンとの共通性は少なく、「鳳凰の構え」や「背中を向ける」など、構えの変化を駆使したテクニカルな動きを持つ。
・花郎(声:森川智之)
前作に登場した「白頭山(ペク・トー・サン)」の弟子にあたる若きテコンドー拳士。
普段はストリートファイトを利用した詐欺集団のトップとして活動しているが、ある日訪れた三島財閥をカモにしようとしたところ、対決した仁を相手に生まれて初めて「引き分け」の屈辱を味わうことになる。
ペクから三島家のことを聞いた彼は三島流喧嘩空手と仁への対抗意識を燃やし、今大会で決着をつけようと考え参加。
また、大会前に失踪したペクの行方を追っている。
格闘スタイルは「テコンドー」だが、ペクの固有技をほとんど使わず、代わりにシャオユウらと同様の構えチェンジを組み込んだスタイルになっており、仁のような後継キャラというより設定を引き継いだ新規キャラのような趣となっている。
・エディ・ゴルド / タイガー・ジャクソン
ブラジルの資産家の息子。
麻薬シンジケートを追っていた父が殺害された後、父の遺言に従いあえて父殺しの犯人として捕まり服役した後、刑務所内で出会った謎のカポエイラマスターの老人からカポエイラを習い、出所後、復讐の足掛かりとして三島財閥に接近すべく大会に参加する。
格闘スタイルは「カポエイラ」。
逆立ちなどの特徴が大きく表れたキャラとして評価が高い。
当初はナンバリング上の次作『鉄拳4』に登場するクリスティが用意されていたが、諸事情からデザインし直されたという経緯を持つ。
その没デザインの一つであるアフロヘアーの「タイガー・ジャクソン」が3Pカラーとして使用可能。
・キング
ジャガーのマスクのプロレスラー「キング」の2代目。
前作までに登場した「キング」の孤児院で育った青年。
先代キングが何者かに殺された後、先代の遺志を継いで孤児院の経営維持のためリングに立つも、慣れないプロレスに苦戦を続けていた。
そんな中、先代のライバルであったアーマーキングと出会い、彼を師匠と仰いで修行を積んだ末、ジャガーのマスクを受け継いで名実ともに2代目となる。
そして師匠から先代殺害の犯人が闘神であることを知らされ、復讐を果たすべく大会に参加する。
格闘スタイルは「プロレスリング」。
本作では漫画『キン肉マン』のキン肉バスターをモデルとする技「マッスルバスター」が搭載された。
・フォレスト・ロウ(声:原田勝弘)
前作までに登場した「マーシャル・ロウ」の息子。
道場の2代目師範となるべく修行中であり、他流試合を禁じられているのだが、「修行に行く」とのポールのウソに乗せられ大会へと連れ出された。
一方で自分の実力を試したいという思いもあり、そのまま大会に参加。
格闘スタイルは「マーシャルアーツ」だが、やはり父と同じくジークンドーのような技を使う。
4以降のナンバリングタイトルでは再び父親マーシャル・ロウに戻された。
その為番外編のタッグシリーズを除けば息子フォレストが使えるタイトルは本作のみに留まっている。
・ポール・フェニックス
多くのキャラが世代交代する中、前作から引き続き登場。
逆立てた金髪と赤い道着が特徴の自称宇宙一の格闘家。
髭を蓄えた顔になるなど、彼もまた相応に年を重ね渋くなった。
前大会もまたクマに阻まれ優勝を逃してしまい、その後数々の大会を制覇して今や子供たちの憧れの格闘家になったものの、物足りなさを感じていたところに第3回大会開催の通知を受け取る。
46歳まで修行を怠らず続けた自身の優勝を確信し、今度こそ大会制覇を狙って参加する。
格闘スタイルは「柔道をベースとした総合格闘技」。
投げ技・打撃技ともに増加した他「浮草」というスウェー動作とそこからの派生も追加された。
それでいて「崩拳」の一撃も健在である。
またお遊び要素として、前作『2』のロウのエンディングで見られたサマーソルトキック(を真似ようとして失敗し頭から落ちる動作)を「サマーソルトNG」という技として実装。
当然(?)、使うと自らもダメージを受ける。
・雷武龍(声:石丸博也)
ポールと同じく、前作から引き続き世代交代せずに登場。
前作でブルースとの接触に失敗するが、その後は警察官として八面六臂の活躍により「スーパーポリス」の異名をとるほどに躍進する。
そんな中、謎の格闘家連続失踪事件を捜査することになるが、そこに平八が現れて第3回大会への参加を依頼される。
怪しみつつもこれを承諾し、出場。
格闘スタイルは「五形拳を主軸とした各種拳法」。
ジャッキー・チェンがモデルだけに、五形拳の構えを使いこなす姿は格闘ファン必見である。
・ニーナ・ウィリアムズ(声:冬馬由美)
ポールらと同様に前作から引き続き世代交代なしで登場するが、彼女は前大会で三島財閥に捕まりコールドスリープ技術の実験台に使われたという設定で、外見や肉体年齢は『2』の時代から全く加齢していない。
闘神の呼びかけに応じて記憶喪失状態で目覚め、闘神に操られるまま仁抹殺のため動き出す。
格闘スタイルは「骨法、合気道をベースとした暗殺格闘術」。
本作では安室奈美恵を思わせるモデリングがなされている。
また、前作まではオバサンじみた年齢にそぐわない声を発していたが、本作からはアンナ共々ボイスが一新され、肉体年齢相応の声が当てられた。
これにより、加齢していないどころかむしろ若返った印象すらも受ける。
・吉光(声:原田勝弘)
前作から引き続き登場の、義賊集団「卍党」頭領の忍者。
恩人であり協力者のDr.ボスコノビッチが研究中の事故で謎の病原体に侵され、それを救うために闘神の血が必要と知り、大会に参加。
般若面のデザインが完全に骸骨でプレデターのような頭部と一体化したものとなり、さらに人間離れした容姿へと変化。
加えて所持する妖刀吉光までも怪しげな光を発するライトセーバーのようなものになっている。
以降の作品でもさらにデザイン変更が重ねられるが、『鉄拳タッグトーナメント』は当時の最新である本作の容姿で出場。
その後は『鉄拳6』と同時期の設定であるクロスオーバー『ストリートファイター×鉄拳』でも本作のデザインが採用された。
格闘スタイルは「卍忍術進化型」。
地面に刀を立ててその刀に乗ったり、胡坐をかいて祈るようなポーズで回復したり、刀で切腹したりとトリッキーな動きは健在。
・クマ(2代目)/パンダ
もはやシリーズを象徴する色物枠として定着した動物キャラの一角。
選択時のボタンでキャラが変わり、パンチボタンでクマ、キックボタンでパンダとなる。
ただし、顔グラフィックは両方ともクマのまま、性能も同じ。
クマは平八のペットにして修行仲間であった先代の息子。
19年という時の流れ故に初代は老衰で死去し、初代が果たせなかったポール打倒を目標に大会に参加する。
パンダはシャオユウのペット兼お目付けで、性別はメス。
平八によってクマと同じ技を叩きこまれ、シャオユウに付き合って参加。
クマからは惚れられているが、パンダは相手にしていない。
格闘スタイルは「平八流熊真拳改」。
・ガンジャック(声:銀河万丈)
吉光・クマと並びシリーズきっての色物キャラであるジャックシリーズの1体。
前作の「ジャック-2」が助けた少女ジェーンは成長して物理学者となり、Dr.アベルの手で破壊された彼を復活させようとしていた。
そのためにジャック-2と「プロトタイプ・ジャック」を材料として作られたが、記憶部分の修復ができず、そのプログラムが三島財閥の系列会社によるものと知った彼女により参加させられる。
前作までのジャックと違い銀色のパーツが追加されたいかにもロボット然とした見た目だが、3Pカラーで前作までと同様の人間に近い姿が使える。
格闘スタイルは「力任せ」。
これまでのジャック系の技に加えて何故か前作までの巌竜の技が追加された(通称・巌ジャック)。
ジャックが四股を踏んだりちゃぶ台を返したりする光景はある種異様。
・ジュリア・チャン(声:鶴ひろみ)
前作までに登場した「ミシェール・チャン」の義理の娘で、拳法を受け継いだ少女。
平八によってミシェールが誘拐されたと知り、母を救うために大会に参加する。
エンディングではミシェールも登場。
格闘スタイルは「心意六合拳・八極拳を基本とした各種中国拳法」。
設定の通りミシェールの後継キャラだが、オリジナルの固有技が多く追加された他に、共通の技にも若干の仕様変更があり、かなり操作感の異なるキャラになっている。
・ブライアン・フューリー
元はICPOに所属する刑事でレイの同僚だったが、ある事件で殉職。
その後三島財閥のDr.アベルに拾われてサイボーグとして蘇生。
彼の命令でボスコノビッチの開発した永久機関を狙い、大会に参加する。
モデルは俳優のルトガー・ハウアー。ビジュアル面の癖はそこまで強くない部類だが、一部技の使用時や勝利ポーズ時に不気味な笑い声を発したり、PS版のエンディングでは完全武装の鉄拳衆相手に素手でハチャメチャに暴れたりと、色物具合は吉光やジャックに負けず劣らず。
格闘スタイルは「キックボクシング」。
ブルースの後継キャラとして扱われるが、彼もまたマッハパンチなどオリジナル技を多く有しており異なるキャラ造形になっている。
全体の挙動もムエタイ寄りだったブルースとは一線を画し、ハンマーナックルやプロレス技などキックボクシングの範疇を外れた技も持つ。
・木人
練習用の木で出来た人形が闘神の影響で動きだしたもの。
最早生き物ですらない。
格闘スタイルは「木人拳」となっているが、ラウンドごとに他のキャラクターの技構成やモーションに入れ替わるという独自の仕様になっている。
家庭用ではコマンドリストが「?」だけになっており、他のキャラの技性能の把握と、どのキャラクターに変化したかの見極めを要する。
ちなみに吉光になった場合は、刀を手にして登場するため一目でわかる。
他のキャラクターに変わっても木人の背丈や手足の長さは変わらない。
全キャラへの幅広い知識と、木人の体型を考慮した限定コンボを考えなければいけない場合もあるため、相当な玄人向けキャラである。
・三島 平八(声:郷里大輔)
前作の主人公。
本作では中ボス(平八本人を使用している場合は仁が中ボス)。
仁の祖父にして三島財閥の現総帥。
年を重ね顔に皺が増え、髪も髭も真っ白になったが未だ鍛え抜かれた肉体は衰えておらず、最強の鉄拳王として君臨する。
本作稼働前に発売された『初代』『2』のOVA版からの逆輸入で、本作より声優が平八のモデルとなった『魁!!男塾』のアニメ版で江田島平八役を務めていた郷里大輔氏に変更された。
格闘スタイルは「三島流喧嘩空手」。
・オーガ(闘神)
本作のラスボス(の第一形態)。
古代文明の遺跡から現れた謎の生命体。
宇宙人が置き去りにした戦闘兵器とも言われる。
マヤ文明の英雄風の見た目だが肌は緑色。
強力な格闘家の魂を欲しており、第3回大会の衝突にいざなわれる。
「世界各地の強者達の魂を欲し、取り込んでいった」という設定の通り、固有の格闘スタイルは無く、過去作の登場人物の固有技を組み合わせて戦うキャラクター。
・トゥルー・オーガ
ラスボス、オーガの第二形態であり真の姿。
オーガから一本でもラウンドを取ると、倒れている平八(平八使用時は仁)の肉体と魂を吸収してこの姿に変化する。
二本の角が生え巨大な翼と尻尾を持つ怪物の姿。
変身前と同様の技に加えて、前作のデビルブラスターのように火を噴く技なども使うようになる。
また腕のリーチが大幅に伸びる強化が施されるが、その一方で脚のリーチは短くなり、喰らい判定が極端に大きくなるデメリットも。
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