【発売日】 1995年12月1日
【発売元】 アクレイム
【開発元】 ワープ
【ジャンル】 アドベンチャーゲーム
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概要 (説明は『Wikipedia』より)
1995年に3DO用ソフトとして発売されたインタラクティブ・ムービー。
当時の3DOはセガサターン・プレイステーションといった対抗機種に押され、下火になり始めていた。
そんな中で発売された本作は3DOで数少ないヒットを遂げ、日本の3DO市場に僅かながらも活気を取り戻す事に成功する。
同年のうちに対抗機種にも移植されたものの、今なお後期3DOを代表するソフトの1つとして名高く、ゲームソフト大容量化の過渡期を象徴する作品として知られている。
プレイステーション版は、1995年12月1日に発売された。
出荷本数を巡ってソニーと飯野氏の間にちょっとしたいざこざがあり、結果として飯野氏はとんでもない行動へ出る事に・・・
父親の凶行を止めるべく、病院に突入した主人公ローラだったが、ほどなくして異世界に広がる謎の館に放り込まれてしまう。
ローラ、すなわちプレイヤーの目的は2時間という時間制限の中で館の謎を解き明かし、脱出を図ることである。
今風に例えるならば「演出がフルプライス相応に作り込まれた脱出ゲーム」と言えるかもしれない。
2時間を過ぎるとゲームオーバー。
ローラは異世界に永久に閉じ込められてしまう。
残り時間はアイテムの懐中時計からいつでも確認可能。
物語は午前3時に幕を開け、午前5時にタイムリミットとなる。
システムは単純明快で、オーソドックスなADVの形式を取っている。
FPS視点で3D空間を探索し、様々な場所を決定ボタンで調べる事で情報を収集する。
LRボタンでアイテムを選択し、使用することが可能。
マルチエンディングを採用しており、ゲーム内のある行動によってストーリーが分岐する。
レーティングは全年齢とされているが、CERO:Dに相当するグロテスクな描写があるので注意。
その映像美と巧みな映画的演出は、当時の多くのプレイヤーを魅了した。
随所に盛り込まれた工夫と完成された作風は、プレイヤーの心理を掴んで離さんばかりのムードを作り出している。
当時の3DCGはホラーゲームと相性が良く、独特の無機質さが恐怖心をそそる。
発売時こそ最新のCGとして評価されていたが、作風とマッチしたグラフィックは”最新”では無くなった20年後も褪せない魅力が秘められている。
このグラフィックがムードを盛り上げる傍ら、続く物語展開も主人公とプレイヤーが一体となる上で大きな役目を果たす。
ゲーム序盤、ローラが病院に着くやいなや世界が歪み、謎の屋敷に放り込まれてしまう。しかし一体何が起きているのか説明は一切無く、プレイヤーにとってはただ不安な感情が残る。
解説は無いため、その不安を解くには自らの手で真相を明かさなければならず、プレイヤーはローラと共に得体の知れない恐怖と向きあっていく事となる。
そうしてゲームを進めると要所要所で少しずつ真相が明かされていくのだが、これがプレイヤーの好奇心をそそり、世界観へと引き込んでいく。
映像面はホラー映画の王道を満遍なく押さえた作りで、時折プレイヤーを驚かせるような演出が差し込まれることで緊張感を維持してくれる。
そのうえ今作は「2時間」というシビアな制限時間が存在し、特に初見プレイだとゴールが全く見えないため、常に気の抜けないスリルがゲーム展開を静かに盛り上げる。
なおゲーム開始前に見られる、予告編のようなオープニングも雰囲気の盛り上がりに一役買っている。
こうして作風に呑まれたならば、その先に待っているのはプレイヤーの没入感を削ぎ落とさない工夫の数々である。
今作はHUDが一切無く、ゲームらしいユーザーインターフェースが徹底的に排除されている。
まさに映画さながらの雰囲気が作り出されていて、ゲームとして遊んでいる感触を抱きにくい。
それどころかBGMもほとんど使用されず、まるで館を自分で探索しているかのような気分に浸ることができる。
文字や台詞の描写を最小限に抑えているのも大きな特長である。
結果的にプレイヤーは様々な描写に注目して登場人物の感情を汲み取る事になり、自然と物語への注目が深まる。
ローラの動きは生き生きと表現されていて、不安な状況にありながらも人間味が感じられる。
探索中のゲーム画面とムービーのCGは質感の差が薄く、違和感が少ない。
ゲーム性自体は極めてオーソドックスな一方、映像面の進化を取り入れたことで斬新な作風に仕上がり、当時の業界で大きな反響を獲得した。
ハード進化の過渡期にヒットした本作は時代のニーズを余す事なく映した作品とも言い換えられ、その作風は映像技術が進化した今であっても換えられない魅力が詰まっている。
かつて次世代機が見た美しい夢に惹かれた人、時代に名を刻んだホラー映像に恐怖してみたい人は、是非ローラとともに館へ突入し、「D」の謎を解き明かしてみてほしい。
●あらすじ
1997年ロサンゼルスの総合病院で大量殺人事件が発生した。
犯人は同病院の病院長リクター・ハリス。
今もなお、多数の入院患者を人質に取って病院内に立てこもっているため、手を出すことができない。
そこへ現われる一人の女性、リクターの娘ローラ・ハリス。
変貌した父の謎を突き止めるため、惨劇の舞台である病院に単身乗り込むのだが・・・
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