【発売日】 1997年11月20日
【発売元】 スクウェア
【開発元】 スクウェア
【ジャンル】 シューティングゲーム
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概要 (説明は『Wikipedia』より)
スクウェアから1997年11月20日に発売されたPlayStation用のシューティングゲーム。
「スクウェアと言えばRPG」。
そんなイメージが根強いスクウェアが、コナミから移籍したスタッフを中心として制作したSTG、それが本作『アインハンダー』である。
キャッチコピーは「撃って、奪って、ぶち壊せ!」。
敵の武器を奪って使えるユニークなシステムと、破壊の美学にこだわった演出を持つシューティングゲームという、本作の特徴を端的に現している。
発売当時は、演出を前面に押し出し過ぎてゲーム性が少々犠牲になっていた本作の評価はあまり芳しいものではなかった。
しかし、時が経つにつれて独特の演出が話題となり、同時に攻略研究が進んだこともあって様々な遊び方が出来る戦略性の高さが再評価されるようになる。
出荷本数の多さも追い風となり、現在では『R-TYPE Δ』や『レイストーム』等と同じく「PSの名作STG」の1つとして語られることも多い。
一撃死・残機制の3D横スクロールSTG。
ミス時は特定ポイントから復活するグラディウス方式。
難易度は全4段階から選択可能。
全7面・一周エンド。
6面の作戦目標を達成できたか否かでエンディングが2つに分岐する。
画面の奥行きが存在し、ここから敵機が出現することもある。
画面奥・手前の敵にはワスプの誘導弾モードでしか攻撃できない。
基本操作は「8方向レバー」と「メインショット発射」「ガンポッド射撃」「腕移動」「加速」「減速」「ガンポッド切り替え」の最大7ボタン。
キー配置はオプションで変更できる。
敵を短い間隔で撃破していくことで得点倍率が上昇するボーナス有。
時間経過で倍率は減少していくが、最大の16倍になると一定時間その倍率が持続する。
更に各ステージに3個ずつ、全21個のシークレットボーナスが設置されている。
大抵の場合はステージオブジェクトや赤いカラーリングの敵で、獲得するごとに点数が伸び、隠しルートや隠し武器の解禁条件ともなっている。
自機となる「アインハンダー」は3+隠し2種類からの選択制。
隠し機体1機を除いて「基本武装はメインショットの機銃のみ(弾数無制限)」・「敵の装備(ガンポッド)を奪取・使用できる腕を装備している」という原則が存在する。
物語は戦争で荒廃した地球を主な舞台として繰り広げられる。
アングラ臭のキツイ帝都ゾードムから少し離れたところに広がる一面の高野、武骨な装甲列車に軍事基地と、作中は一貫して退廃的な香りが強く漂っている。
ヒロイックなんて皆無の陰鬱とした雰囲気が魅力。
ビジュアル面のクオリティは、流石スクウェアと言ったところか、かなり高い。
緻密な作りこみのポリゴン背景は見どころの一つ。
要所で挿入されるムービーパートの出来も素晴らしい。
STGとは思えないほどダイナミックに動くカメラアングルは、スケールの壮大さや攻撃のド派手さを強調するのに一役買っている。
雑魚・ボスキャラは動きが凝りに凝っている。
部位破壊要素も豊富で、破壊された後も爆発したり画面外に吹っ飛んだりと様々な反応を見ることができる。
やはりと言うべきか、自機、ボスキャラからどんな雑魚に至るまでもしっかりと設定が用意されている。
福井健一郎氏によるテクノサウンドは各シーンに絶妙にマッチしたものとなっており、高い評価を得た。
『フロントミッションオルタナティヴ』と並ぶ「スクウェア2大テクノ」と評する声も。
多彩な武装を取捨選択し、更にその2通りの性質を使い分ける。
これだけでも遊びの幅が広いことがわかるだろう。
ボス戦闘も相手がとにかく多彩な攻撃を繰り出してくるため、どう対応するかを考え、見出す楽しさがある。
ランダム性もあって慣れていても不覚を取りかねないため、何十回とプレイしていても気が抜けない緊張感のある戦いを堪能できる。
中には巧妙なフェイントを入れてくる敵までいる。
「難易度が高い」とした通り、パターン構築とアドリブの両方が要求され、全面クリアはEASYでも難しい部類に入る。
キャッチコピーの「撃って、奪って、ぶち壊せ」とは裏腹に、ガンポッド依存の綿密な火力運用が極めてシビアに求められる
緻密な設定や大胆かつドラマチックな演出、秀逸なBGM、高い戦略性といった様々な面に惹きこまれたコアなファンは多い。
その一方で、システムのとっつきにくさから「STGとしてはイマイチ」と難色を示すプレイヤーも多く、事実発売当時の評価は芳しくなかった。
とはいえ、スクウェアらしい一線を画した演出と突き詰めた時の爽快感、野心的なシステムの融合といった面での批判はほとんどなく、作り込まれた良作であることは間違いない。
面白さを実感するには相応の修練が必要なものの、その魅力は現在でも色褪せていない。
古き良きシューティングを思わせる骨太さと、スタイリッシュなディテールの融合こそが本作の本懐と言える。
現在ではゲームアーカイブスでも安価で配信されているため、興味が湧いたら是非とも「手に取って」みてほしい。
「月の異形の戦斗機」は簡単に扱いきれるものではないが、その作風はきっとあなたを魅了するはずだ。
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