鉄拳2(アーケードゲーム◆ナムコ)

【稼働開始日】 1995年8月
【発売元】 ナムコ
【開発元】 ナムコ
【ジャンル】 格闘ゲーム

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概要 (説明は『Wikipedia』より)

3D格闘ゲーム『鉄拳』シリーズの2作目。

初代『鉄拳』のアーケード稼動から8ヶ月、家庭用発売からは5ヶ月という異様なハイペースで続編が発表された。

短期間ながらもその進歩はめざましく、前作を楽しんでいたユーザーが飽きる暇も無いほどであった。

また、一度バージョンアップしてバランス調整を施している(ver.β)。

アップデート実施は稼動からたったの2ヶ月で、フットワークの軽さは賞賛された。

前作では基本的に横軸の概念がほとんど無く(厳密にはあるのだが、実戦で意味があるものではない)、ダウンしている側にとってはどうしても攻撃が確定してしまう場面が多かった。

そこに横転起き上がりが追加されたことによって、安易な追撃を回避できるようになった。

起き上がり時の反撃のキックに下段蹴りが追加された。

安易に近づく相手に逆に二択を仕掛けられるようになり、追撃する側にも一定のリスクを負わせた。

クイック起き上がりが追加。

これによりダウン追撃はかなり制限されるようになった。

攻める側も、一定歩数以上走ることによって「踏みつけ」「タックル」「ショルダータックル」が出来るようになった。

ダウン側も安易に起き上がるだけではショルダータックルで更に追撃を受けることもあるため、起き上がりの攻防に奥深さが増した。

投げ抜けが実装されたが、抜けられるのは「右投げ、左投げ、タックル、投げコンボの派生」の4つだけで、他の投げについては相変わらず投げ抜けが出来ない。

主力となる投げは大抵コマンド入力を要する投げ(投げ抜け不可)なので、意味があまりないものになっている。

投げ抜けの受付時間も非常に短く、狙って出来るレベルとは言い難い。

投げコンボ派生に対する投げ抜けには、離脱時に投げた側に反撃しダメージを与えるものもある。

前作ではミシェールのジャーマンスープレックスのみだった背面投げ(相手の背中を取っての投げ)が全キャラに追加。

狙うチャンスに乏しい分、威力は高めに設定されている。

相手の攻撃が当たる瞬間にコマンド入力を行うと、攻撃する手足を受け流して逆にダメージを与える「返し技」(いわゆる当身投げ)が一部の護身術系スタイルのキャラに実装された。

ただし、返し技で受け止められない技(主に肘・膝・肩を使った攻撃)も存在する。

基本的には左右パンチ・キックに対応した汎用モーションだが、キングのフランケンシュタイナーをポールの返し技で受け止めるとパワーボムで返す等、特定技に対しての専用モーションも存在する。

前作の登場キャラは新型の2号機へと世代交代したジャック以外は全員続投。

中でも前作にてラスボスとして君臨した平八がデフォルトキャラに、主人公として平八を倒した一八がボスにそのまま入れ替わり、それにより50代の中年親父が主人公に据えられるという、ゲーム史上前代未聞の主人公交代劇が話題となった。

デフォルト新キャラクターの「風間準」「レイ・ウーロン」の登場に加え、前作家庭用にて対戦限定で使用できた中ボスキャラクターも1人用モードで使用可能に。

これによって登場キャラ数はコンパチキャラを含めると合計25人と大所帯になっている。

現在もこの大所帯は続いており、『鉄拳』シリーズ=キャラ多すぎと言われる伝統は既にここから始まっていた。

ちなみに前作では18人。

前作では手足が大きく、独特なモデリングとなっていたが、全体としてスマートになり、より人間に近い見た目となった。

ただし、フラットシェーディングを用いて意図的に角張った見栄えにしている。

前作が滑らか過ぎて2Dとの差を実感しにくかった事からこのような工夫がなされた。

稼働されている基板(ソフト)上で、一定の条件を満たすことで各種ボスキャラが次々と解禁されていくようになった。

これは格闘ゲームどころかアーケードゲーム史上初の試みである。

本作の初期バージョンでは「一定以上の使用率があるキャラの中ボスから順に解禁」となっていたが、営業する店舗によって差が出やすいことから、Ver.β以後は稼働時間による解禁へと変更されている。

新システムの導入で、あからさまにハメくさい殺され方は少なくなった。

一方的な攻め有利、守り有利という状況は少なくなっている。

レイやペクなどの特殊動作からの派生攻撃や、一部キャラへの当身投げの導入といった、『鉄拳3』以降のシリーズの特徴である「構え」「さばき」の原型ともいえるシステムも見られる。

前作時点で既に「ダークヒーロー的主人公」「クマやロボットなどのキャラクターが参戦」などのような癖のある設定を特色としていたが、独特な濃さとパロディ色が強めなキャラ造形が目立ったため、「バーチャの安直な模造品」という批判も含め、大きく賛否が分かれていた。

本作では、キャラクター造形や設定面の癖の強さや濃さを個性として引き継ぎつつ洗練し、シリーズ独自のカラーへと昇華させたことで、バーチャシリーズとはまた異なる個性と独自性を打ち立てた。

前作ではキャラクター毎のステージは存在しなかったが、本作ではアレックス・エンジェル以外の全てのキャラに専用のステージが用意されている。

これに伴い、BGMもそれぞれのキャラクター性を意識した曲調へと趣向が変化し、バラエティに富んでいる。

相変わらず格闘ゲームのノウハウが乏しいナムコ製だけあってか、ゲームバランスについてはやはり難点も多く、強いキャラと弱いキャラの差の大きさが目立っている。

特に問題視されたのは新キャラの「ブルース・アーヴィン」で、火力は高くガード崩しも最上級、その上コマンド入力も簡単(殆どの主力技でレバー入力が不要、必要であっても単純なものが多い)という反則気味なキャラ。

ゲーム的にはまだまだ粗く、対戦シーンの面でバーチャに遠く及ばない作品ではあったが、前作から1年以内で大幅にゲームを進化させたことは評価に値する。

相変わらず『バーチャファイター2』に押されていたが、家庭用からアーケードにデビューししてきた層を大幅に味方につけることで、2大派閥の一翼という地位を確立するに至った。

2D格闘ゲームにおけるカプコンとSNKのように、セガとナムコのライバル関係は以後も続いていくことになった。

●ストーリー

前大会は三島一八が優勝し、主催者の三島平八は三島財閥頭首の座を追われた上、一八によって崖から投げ捨てられた。
だが、平八はそれでも生き延び、崖を這い上がってきた。
悪事にかまけて修行を怠っていたことを悔いた平八は、クマとともに山籠もりを敢行し修行に励む。
そして2年が過ぎたある日。
独立国家の建国を目論む一八は、北海道の大半を手中に収めていた。
そして、一八は自らの野望である世界規模のクーデターに備え、戦力強化を図るべく第2回大会を開催。
前大会に出場した面々はさらに技に磨きをかけ、そして新たに腕に覚えのある猛者が集う大会。
平八は大会開催の報を受けて山を下り、一八から全てを取り戻すべく参加を決意するのであった。

●キャラクター

・風間 準
自然保護団体「W.W.W.C.」の密輸動物監視官。
格闘スタイルは舞のような流麗な動きを軸とした連携攻撃を特徴とする「風間流合気柔術」。
白鷺から派生する連携が強力でコンボも作りやすい初心者向けキャラクター。

・雷武龍
香港国際警察所属の刑事。
格闘スタイルは「五形拳を主軸とする各種拳法(酔拳など)」で、やはり香港カンフー映画的な挙動を見せる。
ダウン状態や背向け状態(自らこの状態に移行する固有技もある)からの派生攻撃を始めとした、変則的な動作で相手を翻弄する。
ニュートラル動作でゆっくりと軸移動するという特徴もある。

・白頭山
韓国出身のテコンドーの達人。
格闘スタイルは「テコンドー」。
スタイルの性質上足技による連続攻撃を多数揃えており、左右キックボタンを適当に連打するだけでもそれなりに戦えてしまうほど。
軸移動しながらその名の通りに片足立ちする「フラミンゴ」という構えも特徴的。

・ブルース・アーヴィン
格闘技界で名を馳せていた黒人のキックボクサー。
格闘スタイルは「キックボクシング」だが、首相撲からの膝蹴りなど全体的にムエタイらしい動きが多い。

・三島 平八
前作のラスボスにして、本作の主人公。
格闘スタイルは「三島流喧嘩空手」。
象徴的な技の風神拳も健在。

・マーシャル・ロウ
ブルース・リーがモデルの中国系アメリカ人。
格闘スタイルは「マーシャルアーツ」だがやはりジークンドーな見た目。

・キング
ジャガーのマスクを被った覆面プロレスラー。
格闘スタイルは「プロレスリング」。
本作で多数のコマンド投げのコンボを習得した。

・ニーナ・ウィリアムズ
女アサシン。
格闘スタイルは「骨法・合気道をベースとした暗殺格闘術」。

・ジャック-2
前大会の「ジャック」の量産型2号機。
格闘スタイルは「力任せ」。
腕のリーチは他のキャラより長めで、それと中段・下段の揺さぶりを活かした戦い方が特徴。

・吉光
義賊集団卍党の首領である謎の忍者。
格闘スタイルは「卍流忍術」。
相手に背を向けて切腹し、体を貫通した刀が相手に当たれば大ダメージという自爆技「不惑」など、奇抜な技の数々が目を引くイロモノキャラ。
本作では永久機関の義手を活用し、刀を持つ左手を眼前で回転させ斬りつけたり、ヘリコプターの要領で滑空したあとに刀を振り下ろす技が追加された。
相変わらず容姿のインパクトは凄まじいが、『3』以降はデザインコンセプトが宇宙人や特撮怪人を思わせるものに路線変更されたこともあり、仮面の下に素肌を覗かせた本作のデザインを「シリーズで最も人間らしい」と評する声も少なくない。

・ミシェール・チャン
中国人とネイティブアメリカンのハーフの女性。
格闘スタイルは「心意六合拳・八極拳を基本とした各種中国拳法」。
プロレス技も使う。

・李超狼
前大会に引き続き登場する一八の義兄弟で平八の養子。
格闘スタイルは「三島流喧嘩空手+マーシャルアーツ」だが、やはり技構成の基本はマーシャルアーツ(大半はロウと共通の技)であり、平八などとは操作感が異なる。

・クマ
平八の親友にしてペット。
格闘スタイルは「平八流熊真拳」。
ただし三島流喧嘩空手の技を使うわけではなく、技の大半はジャックと同じである。
好きなものに人肉を挙げる彼らしいコマンド投げ「ベアバイツ」はある意味必見。
腕のリーチはジャック-2やプロトタイプジャックよりさらに長く全キャラ中一番のリーチを誇るが、見た目の体格通り喰らい判定も全キャラ中一番という不名誉な特徴も持っており、対クマ限定の瀕死・即死コンボも普通に存在するなど、性能的には猛獣という種族に名前負けするほどの弱キャラとなってしまっている。

・王椋雷
平八の父である仁八の親友で、真意六合拳の使い手の老人。
格闘スタイルは「心意六合拳」。
リーチは短くスピードも遅いが、中段と下段の二択に優れ、攻撃力も高く、そして彼を語る上で忘れてはならないコマンド投げ「残月」が猛威を振るうなど、ブルースに次ぐ強キャラとされる。

・アーマーキング
黒いジャガーの仮面を被りトゲ付きのアーマーを着込んだヒールレスラー。
格闘スタイルは「プロレスリング」。
キングに比べて打撃技が多いがそれでも他のキャラに比べたらコマンド投げの数は多い部類。
投げコンボは持たないものの投げと打撃の両方をこなすことができ、それでいて本作ではローリスクながらリターンが大きい技を多く持つ強キャラの一人。
三島家特有の風神拳・雷神拳を模した「ブラックスマッシュ」「ダークスマッシュ」と言った技もあり、風神ステップも同様に使用可能。

・アンナ・ウィリアムズ
ニーナの妹で同じくアサシン。
格闘スタイルはニーナ同様「骨法・合気道をベースとした暗殺格闘術」だが、サマーソルトキックなどロウの技も一部持っている。
その他アンナ独自の新技もいくつか追加され、続編ではこのような姉との差別化が次第に行われていく。

・プロトタイプ・ジャック
ジャックのプロトタイプ。
格闘スタイルは「力任せ」。
ジャック-2と同様に腕のリーチは長め。
本作では「ダイブボマー」という、短距離ながら空中を飛行して相手を踏み潰す技が追加され、ジャック-2とは差別化されている。
その他にもジャック-2にはない新技や前作からの独自技もあり、技の大半はジャック-2と同じながらも戦い方はかなり異なる。
中でも同じく新技のコマンド投げ「スラッピングダウン」は一度入ると王の残月並みに相手を長時間硬直させる性質もあり、こちらは更に追い討ちにまた同じ技を使うことも可能。

・州光
私利私欲目当ての窃盗を繰り返したために卍党から破門された悪徳忍者。
格闘スタイルは「卍忍術」。
前作では武器を持っていながらもガード不能技を持たないという「宝の持ち腐れ」な性能だったが、今作にて晴れて手に持ったクナイを使ったガード不能技を3つ習得。
しかし技のバリエーションが乏しい(特に連携技に関して顕著)上に攻撃力も低いため、クマと並び本作屈指の弱キャラとなっている。

・巌竜
額に傷を持つ元力士。
格闘スタイルは「相撲」。
ただし技の大半はジャック系のキャラクターとほぼ同じであり、一部の張り手系の技や四股踏み等に相撲らしさが見て取れる程度。

・三島 一八
前作の主人公にして現三島財閥総帥。
格闘スタイルは前作同様「三島流喧嘩空手」であるが、魔神拳など新技が追加されており強化されている。
固有技として軸移動技「霧足」も所持。

デビル/エンジェル
一八の中に宿っていた邪悪な意思が具現化した者。
格闘スタイルは「三島流喧嘩空手+α」で、性能的には前作の一八に額からビームを発射するなどのデビル特有の技が追加されたものとなっている。
しかしデビル固有技の隙の大きさ・扱いづらさなどから「一八の下位互換」「CPUとしても慣れれば一八よりも楽」と評する声も強い。

・ロジャー/アレックス
CPU戦プレイ中に特定の条件を満たすことで乱入キャラクター。
格闘スタイルはボクシング…ではなく「コマンドレスリング」。
モーションの多くはキングの流用だが、ボクシング風の手技や尻尾での攻撃などの固有技も持つ。

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