サイキックフォース(アーケードゲーム◆タイトー)

【稼働開始日】 1996年4月
【発売元】 タイトー
【開発元】 タイトー
【ジャンル】 格闘ゲーム

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概要 (説明は『Wikipedia』より)

キャラクターを「飛行能力を持つ超能力者」と設定し、格闘ゲームから「重力」の概念を取り払った斬新な対戦アクションゲームである。

全方位のフィールドとゲージ制の技で従来の対戦格闘とは全く仕組みの異なる駆け引きのルールを持つ。

美形キャラクターと悲劇的なストーリー設定も魅力で、当時の格闘ゲームとしては珍しく多くの女性ファンを獲得した。

他のゲームには見られない、非常に独特なシステムを持つ。

ゲームの舞台は四方を「結界」と呼ばれる正方形の壁に囲まれたエリアで、この中をプレイヤーは重力の制限なく360°自由に飛び回りながら相手を攻撃する。

奥行きは無いため、俯瞰視点の2D形式と捉えると分かりやすい。

相手の攻撃ではね飛ばされたキャラは壁に叩き付けられることがあり、叩き付けられたキャラはダメージを受け、一瞬無防備に硬直する。

この状態からさらに壁にぶつかるとダウン状態になり落下する。

落下中は無敵である。

格闘ゲームにおける必殺技のようにコマンド入力で発生するが、入力方向に対する縛りがなく、例えば「←→→」というコマンドであれば「↓↑↑」でも「→←←」でも発生するし、「レバー一回転」という入力であれば、始点がどこであろうと一回転さえさせれば発生する。

技ごとに「サイコゲージ」というゲージを一定量消費し、サイコゲージの回復には時間がかかるため無制限に連発することは出来ない。

一部の技は発動後に特定のコマンドを入力することによって性質を変化させることが出来る。

本ゲームはタイムアップや相討ちした場合、対戦時には強制的に「サドンデス」へ突入する。

CPU戦のみ体力の多いほうが勝ちとなる。

キャラクターが接近すると攻撃ボタンが打撃攻撃に変わり、規定のボタン組み合わせでコンボが発生する。

コンボは全キャラ共通で「コンボクイック(弱、弱、弱、弱)」「コンボロング(弱、弱、弱、強)」「コンボショート(弱、強)」「コンボミドル(弱、弱、強)」の四種類。

後者2つは、締めの強攻撃をキャンセルし超能力技を繰り出す「コンボスペシャル」に派生可能。

これを利用し、打撃コンボで壁に叩き付けてから超能力技を当てる、という行動を習得するのがダメージ効率を高める第一歩となる。

「フィールドはぶつかると無防備になる壁に囲まれている」

「キャラクターは攻撃を避けやすい360°移動」

「超能力技は出す前も出した後もスキが非常に大きい」

「攻撃を完全に防ぐバリアガードの存在」

これらを考慮に入れるなら、プレイヤーがとるべき行動は一つしかない。

即ち、「相手を壁に叩きつけて、追加ダメージを狙う」である。

そこで多用されるのが、クイックダッシュからの打撃コンボである。

ボタン連打で容易に出すことが出来、一気に相手を壁まで運ぶ。

組み合わせによっては超能力技に繋げることも可能。

普通ならこのコンボは回避バリアに防がれてしまうが、壁にぶつかる距離であれば、回避バリアも間に合わない。

従って、このゲームは壁を背負った側が圧倒的に不利である。

当然、背負った側はダッシュで逃げようとするが、方向の自由が利くノーマルダッシュは中断することが出来ない。

すなわちノーマルダッシュはそれ自体がスキであるが、通常移動では逃げることなど不可能である。

しかし、逃げる側は無理に壁から離れなくても相手のクイックダッシュ一回分の距離さえとれればそれでいいわけで……。

このように、壁や相手との距離を常に意識した、「間合い・位置の奪い合い」が本作の駆け引きのキモである。

「壁に連続でぶつかると気絶し、無敵状態になる」という仕様のおかげで常に攻守は入れ替わり、一方的に叩きのめされるという状況も少ない。

プレイヤーは自キャラの有利な間合いを保てるよう、常に移動し続けなければならず、その移動が時として決定的なスキとなる。

壁と自機との距離を正確につかめないとそもそもコンボがつながらないキャラもおり、的確な距離認識が要求される。

上下の区別無く360°自由に動ける平面空間、というフィールド構成を最大限に生かした多様な超能力技が存在する。

特に、設置型キャラの存在感の強さが特徴的。

接触するとダメージを受ける機雷、うまく配置すればお手玉のように連続ヒットする光線を反射させるビットなど。

光を操るキャラ「エミリオ」は性能的にも人気的にもこのゲームを象徴するキャラの一人である。

他にも、重力場や風を起こして相手の移動を制限する、任意の方向に一直線に炸裂する等の技を駆使し、プレイヤーは自分の戦術を自在に編み出すことが可能。

差し合い・読みあい重視の面白さ。

追い打ちを防ぐ回避バリア、気絶状態では無敵という仕様の存在により、コンボはどこかのタイミングで必ず途切れ、ハメ技はシステム上絶対に存在しない。

実は『無印』のみ、背面からバリアで相手を弾くことによって非常に危険なコンボができたが、『EX』からはきっちりと修正されている。

また、このゲームはコンボによるマイナスのダメージ補正が非常に大きい。

打撃コンボは攻撃ボタン連打で容易に出せるが、あくまで超能力技を確実に当てるための補助でしかない。

超能力技は”生で当てる”…コンボを介さず直に当てる方がダメージ効率は良いのだが、超能力技の隙は全体的に大きく、大技ほどその方向は顕著になる。

そのためには1フレーム単位での技やモーションの研究が必須であり、かつ相手がスキを見せるよう誘導する技術・試合状況を絡めた心理面の駆け引きなど、様々な要因を考慮しなければならない。

リスクを背負いつつも高い壁を乗り越え、威力の高い超能力技を生でたたき込んだときの快感は何物にも代え難い。

「迫害される超能力者」という暗い舞台設定を背景に、90年代のタイトーらしい悲劇的なストーリーが展開される。

倒した相手は殺したものとするなど、その路線は徹底されている。

登場するキャラはアニメ的な美男美女であるが、特に主人公バーンとその親友にしてラスボスのキースの、「かつての親友同士が道を違えて対立する」という設定や、エミリオの「悲劇的な過去を背負ったショタ系美少年」という設定が、王道ながらも特に婦女子の心を直撃した。

結果、このゲームは当時の格闘ゲームとしては異例なほどの女性人気を獲得し、女性プレイヤーも多く見られた。

キャラクターバランスは極端に悪いわけではないが、良いとも言えない。

本作はコンボ補正・壁補正が弱く、打撃威力が安定して高いためワンチャンスを作れるキャラクターが圧倒的に有利。

システムを理解するまでの壁が高い。

インストカードの限られた情報では「そもそも何をすればいいか」など分かるはずもなく、レバガチャでは相手に攻撃を当てること自体が困難。

「遠くから弾をぺしぺし撃つだけのゲーム」と誤解したプレイヤーの多くが即座に席を立った。

とりあえずコンボと「とにかく壁に叩きつけろ」を理解したプレイヤーに対しても、「駆け引きの内容が地味で分かりづらい」というシステム自体の欠点が足を引っ張った。

他のプレイヤーを手本にしようとしても、プレイヤーたちが必死に有利な位置を確保しようと移動を繰り返す様は、「フラフラと無駄に動き回っている」としか理解されなかったのである……。

当時の3D格闘の「物語やエンディングは多く語らない」風潮があったが、その中でもサイキックフォースはアッサリ具合が頭二つ飛び抜けている。

バーチャファイターや鉄拳等は物語が語れていなくとも「格闘技の大会」と割り切れる為に割と受け入れられるが、サイキックフォースは武道会では無い命を取るか取られるかの世界観の為にエンディングまで行ってももやもや感が残る。

システムの解りづらさ、当時のゲーマーの価値観とのずれといったハンデを背負いながらも、このゲームの独自性は今なお色褪せることがない。

特に、システムを引き継いだ続編『サイキックフォース2012』は対戦の盛んな店舗では少なくとも2001年頃まで大会が度々開かれ、長期に渡って支持されるゲームとなった。

勿論、続編が出なかったことも理由の一つではあるのだろうが、元のゲームの完成度が高くなければこれほど長い期間の研究に堪えることなどできなかっただろう。

亜流作品の発生にはほとんど繋がらなかったことが惜しまれる。

このゲームは女性プレイヤーを多く獲得した、が、同時に「キャラだけが目当てで実際のゲームをプレイしないファン」も数多く発生してしまった。

とある目撃証言によると、「サイキックフォースは好きで同人活動やってますがゲームの方はプレイしてません。だってクソゲーじゃないですか」と堂々と語るファンもいたそうである。

まだまだ萌えが市民権を得ていなかった当時、アニメ絵のキャラクターデザインは格ゲーマーにそっぽを向かれ、女性はなかなかプレイヤーになってくれず、システムも解りづらい。

結局このゲームの魅力は「解る人にだけ解る」代物になってしまったのであった。

●キャラクター

・バーン・グリフィス(声:真殿光昭)
・ウェンディー・ライアン(声:白石文子)
・エミリオ・ミハイロフ(声:高山みなみ)
・ソニア(声:白石文子)
・ブラド・キルステン(声:中尾隆聖)
・六道玄真(声:秋元羊介)
・ゲイツ・オルトマン(声:津久井教生)
・リチャード・ウォン(声:真殿光昭)
・キース・エヴァンス(声:津久井教生)

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