THE KING OF FIGHTERS ’96(アーケードゲーム◆SNK)

【稼働開始日】 1996年7月30日
【発売元】 SNK
【開発元】 SNK
【ジャンル】 格闘ゲーム

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概要 (説明は『Wikipedia』より)

『餓狼伝説』『龍虎の拳』『怒』『サイコソルジャー』等のSNKゲームの人気キャラが一堂に集まった、オールスター対戦格闘ゲームシリーズの3作目。

『KOF’95』から開始された「オロチ編」と呼ばれるストーリー展開に本腰が入ったバージョンでもある。

シリーズとしては初めて、レギュレーションがゴッソリ変わった作品である。

ベースのシステムだけでなく、キャラクターのグラフィックや技のモーションもすべて書き直され、前作とは通常技・必殺技ともかなり性能が違っている。

9チーム+ボス2人で合計27人。

前作より3人増加。

前作からのプレイヤーキャラクターはビリー、影二、タクマ、ハイデルンと男性4人が不参加で、代わりに4名の女性が参加。

内3名がKOFオリジナルキャラ。

『龍虎外伝』に登場した藤堂香澄に加え、ハイデルンの養子のレオナ、ルガールの秘書であるマチュアとバイスが新たに参戦。

また、『餓狼伝説』のギース・ハワード、『餓狼伝説2』のヴォルフガング・クラウザー、『龍虎の拳』シリーズからはMr.BIGと豪華なメンツが新たに「ボスチーム」の名前で参加している。

「Mr.BIGはボスじゃない」というツッコミは禁句。

前作まではルガールが連続でラスボスを務めていたが、本作はラスボスと前座ボスの2枠が総入れ替えとなった。

この作品以降「年に1度のKOFの開催」は作品世界だけでなくファンの間でも常態化していった。

参加メンバーの入れ換えに関する悲喜こもごもは事前情報で少しずつ明るみになり、ストーリー上での開催前夜と同様に、現実でも稼働前からお祭り気分が盛り上がっていったものであったのだ。

短時間投げ以外に対し全身無敵になるアクションが、攻撃避けから前転・後転に変更され、前後の移動が出来るようになった。

ただし大門とクラークの二人だけは、BCD同時押しで攻撃避けを出すことが可能(カウンター攻撃は出せない)。

前ダッシュが一足跳んで素早く距離を詰めるステップ動作から、走って距離を詰めるラン動作(レバーを進行方向に入れている限り持続する)に変更。

前作の通常ジャンプと大ジャンプに加え、今回はレバー上を短く押すことで小ジャンプ、大ジャンプコマンド入力時に上を短く押した場合の中ジャンプが追加。

近接打撃での攻め合いを重視したゲーム性にするために、多くのキャラの飛び道具が画面端まで届かなくなったばかりか、キャラによっては出した直後にその場で消えたり、あるいは単なる打撃エフェクトになる形で全く飛ばなくなった。

このことから、まるで『ストリートファイターZERO』のダンの我道拳のようだと揶揄されることもある。

すぐ消えるキャラについてはオーラを弾けさせるようなエフェクトになったため、リーチこそ短いが攻撃判定だけは従来よりもやや大きめになっている。

しっかり飛ぶ飛び道具を持つキャラは庵・アテナ・拳崇・クラウザー・舞、超必殺技に戻った龍虎の拳チームの「覇王翔吼拳」のみとだいぶ少なくなっている。

シリーズの主人公・草薙京は飛び道具を完全に失ったが、代わりにテクニカルな追加技を多数持つ必殺技を手に入れ、ラッシュ重視のキャラへと大きく変更されている。

中段技や多段技と言った性質を持つ、レバー入力+ボタンで出せる技が無くなった。

攻撃をガードするとガード弾き値が蓄積。

値は時間とともに減少していく。

ガード弾き値が一定以上溜まってしまうとガードクラッシュが発生し、一定時間無防備になる。

前作で待ちを助長させる要素となっていたが、今回はパワーMAX時限定・かつ必殺技によるキャンセルが不可能に。

本作のGC緊急回避はMAX状態でなら何回でも可能で、MAX状態を打ち切る副作用はない。

パワーゲージMAX時の仕様変更。

1.5倍となっていた攻撃力補正が1.25倍に変更。

代わりに攻撃で与えるのけぞり時間が若干増え、連続技が入れやすくなる。

攻め合い重視ですぐラウンドが終わってしまう事象を防ぎたかったのかは不明だが、のけぞり時間延長の効果によりパワーゲージMAX時限定の永久・即死連続技を持つキャラもいる。

「体力ゲージが赤く点滅した状態で、パワーゲージをMAXまで溜めて超必殺技を放つ」と技が若干変化し、より威力の高い「MAX超必殺技」が出るようになった。

餓狼伝説シリーズの「潜在能力」に近い概念。

ほとんどの技はヒット数と威力が強化されるだけだが、もちろん技の性質や性能に変化があるキャラ(テリーのトリプルゲイザーや鎮の轟欄炎炮など)もいる。

特に庵のMAX超必殺技は初見で多くの人にトラウマを刻み付けた。

MAX状態の持続時間がゲージで視認できるようになった。

なお、持続時間はパワー溜めでMAXにした場合は20秒、それ以外の場合では8秒とどちらも増加している。

はっきりとした効果は不明だが、特定条件下で与えるダメージが微増する。

『’94』で1P側のハイデルンのムーンスラッシャーが相打ち時に威力が上がるバグをヒントにシステム化したものと思われる。

相手が必殺技を出している間(ゲージMAX状態では通常技も対象)にダウンする攻撃を当てると、当たり判定を残したまま相手が吹き飛び、追撃が可能になる。

例えば通常では1ヒットの対空技が2ヒットする、画面端の相手にふっとばし攻撃がカウンターヒットするとキャンセル超必殺技が繋がる、など、読み勝った際により攻撃的なチャンスが広がるシステムとなった。

つかみ技や気絶などで身動きが取れないキャラをサポートするための援護攻撃の発動に、相性という条件が追加される。

例えば、京が出ていると大抵のキャラは援護してくれるが、ライバルの庵だけは当然絶対に援護に行かない。

アテナが出ていると彼女にベタボレな拳崇は必ず援護攻撃を行う、チャンとチョイは修行でしごかれてるせいかキムを絶対に援護しない等。

この要素を付加したことにより、キャラ設定がより一層引き立つようになった。

実は前作の時点で少ないキャラに概念が存在しており、京と庵は互いに援護をせず、柴舟はルガール以外を援護せず、ルガールは柴舟とキム以外から援護されず、ルガールは誰の援護にも行かないという仕様があった。

飛び道具系は236、対空技は623、突進技は41236、超必殺技はこれらの複合…といった具合に、同系他作品の標準に近いコマンド系に統一された。

SNKの格闘ゲームは若干変わったコマンドが多いのだが、本作はこれによりキャラごとの操作を覚えるのが比較的楽。

ひいては、他のキャラを使うにあたってのハードルが少し下げられたと言える。

ただし、例外的にギースのレイジングストームは特徴的なコマンドとしてそのまま続投した。

後に『リアルバウト餓狼伝説2 THE NEW COMERS』でコマンドが変更された際は不評があったため、本作でこのままにしたのは良かったとも言えるが……。

一部必殺技の出掛かりにガードポイントがあり、敵の攻撃を防御しながら攻撃ができる。

『龍虎の拳2』に由来するシステム。

気絶値の回復が大幅に遅くなり、気絶しやすくなった。

挑発がレバーニュートラルでなくとも出せるようになり、硬直時間が短くなった。

使いにくかった餓狼キャラのしゃがみ歩きは廃止された。

超必殺技コマンドはボタン同時押しを使わなくなった。

このため同時押し漏れによるコマンドミスや、ネオジオCD版におけるパッド操作でのボタン配置に難儀することがなくなった。

過去作から続投しているキャラも性能が根本から変わってしまい、特に全キャラが飛び道具を持つ餓狼・龍虎チームなどの古参組を使うプレイヤーには苦しかった。

ボスチームに関しても過去作品から離れて独自性を打ち出す方針で作られたせいか、どのキャラも原作で使用していた人ほど違和感を覚えるアレンジがされている。

特にMr.BIGは全くの別キャラといっていい。

ボスキャラ・ゲーニッツの鬼畜ぶりはファンの間で今でも語りつがれている。

彼のみ超必殺技が常時使用可能という反則仕様。

ゲーニッツのボイスの「ここですか?」や「お別れです!」などが耳に残っている方も多いだろう。

画面端まで届く飛び道具があるキャラならばかなり安定して倒せる方法があるが、飛び道具の大幅な仕様変更のため、自分の得意キャラの関係でこれを持たないキャラのみで編成するケースが多いのもゲーニッツに対抗する難しさを助長した面もある。

ゲーニッツの陰に隠れがちであるが、中ボスのちづるも攻略法を知らないと超反応+圧倒的な攻撃力でねじ伏せられるためかなり凶悪である。

前作『’95』が『’94』路線を継承したものであったのと比べ、抜本改革ともいえる本作のシステム変更は、当時は批判の対象でもあった。

というのも、出場キャラクターたちはみなKOFだけに出ているわけではないのだ。

例えば「飛び道具が飛ばない」「技コマンドが違う」などといった仕様の変更は、それこそ元シリーズからのユーザーに受け入れられたとは言えない結果になっている。

だが、戦いが膠着状態に陥ることの多かった前作までの反省を活かして「攻めて勝つ」ゲームを作ろうと試み、それにある程度成功した功績は大きい。

ここは後のシリーズ作品の基礎として長く受け継がれていく。

「崩れバランスで安定している」とすら言われるほどの本シリーズではあるが、そもそも出発点はお祭りゲームである。ハマる人はハマるだろう。

●ストーリー

「KOF’96」大会は以前のような謎めいた大会ではなく、巨大企業数社のスポンサードによる全世界的スケールのメジャー大会となっていた。
世界各地で予選大会が開催され、強豪を制した9チームの中には、当然のようにかつてのKOF常連達が顔を並べ、公式試合による実力試しを楽しみにしていた。
しかしながらその中には驚きを隠せないメンバーによるチームも存在した。
「ギース・ハワード」「ヴォルフガング・クラウザー」「Mr.BIG」。
かつて世界の覇権を握ろうとした3人による恐るべきチーム。
やはり彼らの目的はボガード兄弟と極限流空手伝承者の抹殺なのか?
そして、謎の女達とチームを組み、再び出場する「八神庵」…
古代よりの因縁が渦巻く「草薙京」との勝負の行方は如何に。
ついに公式大会として開催される「KOF’96」であったが、既にその頭上には暗雲が垂れ込めていた……。

●キャラクター

・主人公チーム
草薙京、二階堂紅丸、大門五郎

・餓狼伝説チーム
テリー・ボガード、アンディ・ボガード、ジョー・ヒガシ

・龍虎の拳チーム
リョウ・サカザキ、ロバート・ガルシア、ユリ・サカザキ

・怒チーム
レオナ・ハイデルン、ラルフ・ジョーンズ、クラーク・スティル

・サイコソルジャーチーム
麻宮アテナ、椎拳崇、鎮元斎

・女性格闘家チーム
不知火舞、キング、藤堂香澄

・キムチーム
キム・カッファン、チャン・コーハン、チョイ・ボンゲ

・八神チーム
八神庵、マチュア、バイス

・ボスチーム
ギース・ハワード、ヴォルフガング・クラウザー、Mr.BIG

・中ボス
神楽ちづる

・ラスボス
ゲーニッツ

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