【稼働開始日】 1999年2月
【発売元】 セガ
【開発元】 セガ第三AM研究開発部
【ジャンル】 アクションゲーム
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概要 (説明は『Wikipedia』より)
セガAM3研が「セガ職業ゲーム」の1つとして新基板「NAOMI」を用い開発、1999年に稼働開始したアーケードゲーム。
日本ではドライブゲームによくあるシート付き筐体でなく、ハンドルやペダルを付けたアップライト筐体のみがリリースされた。
内容を簡単に言うと『アメリカのタクシードライバーとなって客を乗せ、目的地に向かって大爆走する』と言うゲーム。
単純操作であるがその爽快感抜群のシステムが受け、後に多数の機種に移植されるヒット作となった。
基本ルールは「制限時間が無くなるまでに、より多くの客を目的地に運び運賃を稼ぐ」こと。
運賃はこのゲームにおけるスコアで、客を時間内に届けて下ろすことで初めてカウントされる。
道端にいる客の頭上と周りには「$」マークとサークルが表示され、サークル内に車を止めれば乗せられる。
各客の色で目的地までの距離・運賃が異なり、赤<オレンジ<黄<黄緑<緑の順にそれぞれが大きくなる。
ただし、車を高速で近づけるとさすがに客も逃げてしまう。
人間を轢くことは絶対にないこのゲームだが、あまり勢いよく車を走らせていると客を乗せるのに時間がかかってしまう。
ドライバーたちがスピード狂なら、この街の乗客たちも全員スピード狂だ。
他の車スレスレを走る「クレイジースルー」、坂などを用いた「クレイジージャンプ」、後述の操作で発動する「クレイジードリフト」などのスタント走行を決めると喜んでチップをくれる。
チップは現在の運賃に蓄積されるほか、スタントを連続成功させればコンボがカウントされ、もらえるチップ量もどんどん上がる。
ただし他車と衝突してしまうとコンボカウントは途切れる。
客を乗せることでゲームの制限時間はある程度回復(基本的に各客の持ち時間までは保証される)。
目的地に運んだ速さによってもチップボーナスと数秒ほどのタイムボーナスを得る事ができる。
一方、あまりに遅すぎて各客の持ち時間が尽きるとその客は怒って途中下車(たとえ全力疾走中であっても)してしまう。
この場合、その客における運賃とそれまでのチップボーナスはロストしてしまう。
操作システムは前進の「D」と後退の「R」の2方向マニュアルギア式。
各ギアを入れた状態でアクセルを踏めば、前進/後退が可能。
システムは単純だが、細かい基本テクニックが多い。
それらを覚えていないとこのゲームプレイはまともにおぼつかないだろう。
クレイジーダッシュ・・・アクセルを離し、シフトレバーをD側に倒すと同時にアクセルを踏みなおす。
即座にそこそこのスピードを得ることができる習得必須の基本操作。
クレイジーバックダッシュ・・・こちらはレバーをR側に倒して同時にアクセル。
名称通り後ろ向きにクレイジーダッシュする。
前進中に行えば通常時よりも遥かに強いブレーキを掛けられる。
停車時にはこれとブレーキを踏むことで客を非常に素早く降ろすことが可能と、ドリフトともども非常に役立つ重要な操作。
クレイジードリフト・・・ギアを素早くR→Dに入れてハンドルを切ると、ドリフトしてスピードを落とさずに曲がれる。
高速走破のみならず急停車にも便利なほか、使うだけでボーナススコアも稼げる一石二鳥の基本スタント。
リミッターカット・・・クレイジーダッシュの最中にアクセルを離し、すぐにシフトレバーをRからDに倒しアクセルを踏み直す。
クレイジーダッシュよりさらに加速できるテクニック。
とにかく「何でもあり」な爽快感。
これが本作最大の売り。
言葉で表すのは難しいが、一度プレイすれば嫌でもわかる。
このゲームに「やってはいけないこと」は何一つありはしない。
ゲームの目的は「タクシードライバーとして運賃を稼ぐこと」。
ゲームオーバーの条件は「時間切れ」以外には皆無。
信号無視やスピード違反などタイムペナルティを食らうことも一切なく、目的地まで一切気にせず全力疾走が可能。
通行人は車を巧妙に避けるため、人を跳ね飛ばす心配も無い。
「歩道が広いではないか、行け」ばりの暴走運転もオールオーケー。
隠し要素の範疇だが普通に水中に客がいたりと、タクシーだけでなく、人間も桁外れの身体能力を持った世界観だったりする。
あらゆるテクニックを駆使して並み居る車をすり抜けたり、後の『ソニックアドベンチャー2』を髣髴とさせる大坂道を一気に飛び降りるスタントコンボを決めるなどと疾走感も抜群。
BGMもアメリカのパンクロックバンド「The OffSpring」と「Bad Religion」の2組を起用。
何れも非常にハイテンポな楽曲でとにかくノリが良く、聞くだけでも本作の興奮を感じられるかも…。
特にThe OffSpringは『All I Want』、Bad Religionは『Ten in 2010』が本作のオープニングデモや続編の『3』でも使用されており、本シリーズを代表する曲と言えるだろう。
後年の移植版では版権の都合で差し替えられているのが残念。
登場する4人のドライバーに各種客たちも個性的で印象に残る。
ボイス数や客の種類も結構多く、状況によっては大げさなリアクションやセリフで返してくれるので、英語が分からなくてもテンションが上がったり、笑わされてしまうかも。
プレイヤーの運転するタクシーは50~60年代のアメリカ車で何れもオープンカー。
実車から少々アレンジが入っているものの、どのデザインも格好良い。
さらに恐ろしいハイスペックマシンでもある。坂にクレイジーダッシュで突っ込めば何秒も空を飛び、オープンカーにもかかわらず水中に入って水底を低速走行できる始末。
耐久力という無粋な物も存在せず、現代的な一般車に激突してもこちらは単なる大減速で済み、相手のほうは一般的な車なら弾き飛ばされたり横転して動けなくなる有様。
各ナンバープレートがそれぞれのドライバーのモットーによる語呂合わせだったりと、細かいネタも。
更に隠しコマンドを入力すると車をリヤカー付き3輪自転車にすることもできる。
やりこめば腕前の向上が如実にわかるゲームデザイン。
各テクニックがほとんど使えないであろう最初は客を数人乗せ運んだ所で時間になってしまうだろうが、このゲームでは客の配置を含めたマップは完全固定である。
道を覚え、客の配置を理解し、ショートカットや効率よく稼げるルートを模索できるようになれば、ガンガンスコアもプレイ時間も伸ばせる。
各種テクニックも最初は慣れが必要だが幾つかは簡単に習得できるはず。
クレイジードリフトを思いっきり決めてやれば、最高に格好良いしチップによるボーナスも美味しい。
舞台となる街の構造も凝っており、各地を巡って客を運ぶだけでも面白い。
マップはアメリカ西海岸のサンフランシスコがモチーフとなっている。
青々とした空やケーブルカーが走る急な坂が特徴的で、明るく爽やかな雰囲気がとにかくこのゲームにマッチしている。
実在の企業とコラボしそれらの店を実際にゲーム内に出しているのも、後の『龍が如くシリーズ』の片鱗を窺わせるリアリティに一役買っている。
こちらも後年版では差し替えられてしまっている。
マップ作成にあたっては現地に行かずに作成したようで、続編の『3』公式サイトによると現地の社員から「あのコースは本当に現地取材をしないで作ったのか?」と驚かれるほど評判が良かったらしい。
「単純ですぐ飽きるけど、何度もやりたくなる不思議な魅力のあるゲーム」と言われやすい。
他のジャンルだと『テトリス』などに近い感覚の作品。
とにかく本作の魅力は一に爽快感、二に爽快感。
ストレスが溜まったりすると、なんとなくプレイしてかっ飛ばしたくなるような雰囲気がある。
ボリュームは薄いが、それを補って余りある魅力を持ち合わせた傑作である。
[game-1]クレイジータクシー(最新無料動画を楽しみましょう♪)