【稼働開始日】 1996年12月12日
【発売元】 カプコン
【開発元】 カプコン
【ジャンル】 格闘ゲーム
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概要 (説明は『Wikipedia』より)
カプコンが1996年12月に発売したアーケード用ゲーム。
カプコンがアーケードゲームに用いてきた基板「CPシステム」の第三世代「CPシステム3(CPS3)」の第一作。
レバー6ボタン+スタートボタンでキャラを操作する、格闘ゲームとしてはオーソドックスな操作体系。
ただし、下記に挙げる要素が一般的な対戦格闘ゲームの概念からはやや外れている。
1人プレイは『究極戦隊ダダンダーン』の様に敵モンスター(CPU)との1本勝負。
戦闘後は残り時間や保持オーブ数などに応じた量だけ体力が回復する。
なお、時間切れの時は体力がどれだけリードしていても必ずプレイヤー側の敗北となる。
対戦は最大3本先取(設定で変更可能)となっている。
敵を倒したり、宝石を獲得すると経験値が入り、稼いだ経験値に応じてキャラがレベルアップ。
能力が上昇したり、新たな技を習得できるようになっている。
プレイヤー同士の対戦では「VSポイント」という特殊な経験値が入るようになっていて、「特定のレベルに達する前にVSポイントを稼いでおかないと習得できない必殺技」なども存在する。
アーケードゲームでは珍しいパスワード機能を搭載しており、次回再開時はそれを入力することで現在レベルや獲得した必殺技などの能力を引き継いだ状態でプレイできる。
もちろん対戦乱入時も同様。
本作ではいわゆる「スーパーコンボゲージ」は存在していない。
戦闘中に(敵味方問わず)キャラクターがダウンすると宝箱が出現し、それを開けると中から「ミスティックオーブ」が出現、これを消費して大魔法「ミスティックマジック」と超必殺技「ミスティックブレイク」を使用できる。
ミスティックオーブは最大3個まで保持可能で、前述の行動で1個消費する。
すでに3個持っている状態で取得すると経験値に変換される。
ミスティックマジックは全キャラ共通で同じ物を使用可能。
オーブは氷・星・毒・火・風・雷の6種類で、それに応じた大魔法が発動する。
スタートボタンで属性は自由に変更できる。
ミスティックブレイクはいわゆる超必殺技。
これは各キャラ固有の物が備わっている。
プレイヤーキャラクターは4人。
対戦格闘ゲームとしてみると非常に少ない部類である。
しかし敵モンスターは8体(ラスボスは変身して再戦となるので実質9体)と豊富なのでCPU戦のボリュームはある。
敵モンスターの登場順序は使用するキャラ毎に違うが、ランダム性はなくシナリオはほぼ固定(選択・行動によって多少の分岐はある)。
美しいドット絵と個性的なキャラクター。
いわゆる「剣と魔法」のファンタジー世界を舞台としており、キャラクターも個性的かつ魅力的。
それを支えるのがCPS3の性能を駆使した美しいドット絵と、同時期に稼働した『ストリートファイターIII』に比肩する細かなアニメーションである。
「新基板」と鳴り物入りであったが、決して大言壮語ではなかった。
全身から巨大な武器を取り出すムクロに、魔法を使っての細かな動きをするタバサ。
レオは成長すると武器を獲得できるのだが、装備した武器に応じてグラフィックも変わる。
巨大なモンスター達も激しく動いているが、処理落ち、グラフィック欠けなどはほとんど発生しない。
CPUが妙に強いうえ、後半になるにつれて体力回復量が減少していくためパターン化せざるを得ない。
また、経験値を稼ぐとなると多段ヒットのミスティックマジック(特に風)を多用することになり、さらにパターン化が促進される。
その結果、単調な作業の繰り返しとなり、爽快感を感じにくくなってしまっている。
成長させたキャラでプレイすると、成長に比例するかのように敵モンスターまで体力ゲージが増大し強くなるという仕様のため、成長の割には難易度は低下せず、強化具合も実感しにくい。
異様に強いのに一回負けただけでゲームオーバーとなるため、ワンコインクリアを達成するには危険の大きい行為を避けつつ常に残り体力の温存に気を使い、それでいて必ず時間内に倒しきるというプレイを要求される。
ただしコンティニューすると自分は体力全快、敵は僅かしか回復していない状態で戦闘再開となるので、どれだけコンティニューを繰り返してもクリアできないという事にはならない。
マンネリ気味だった格闘ゲームに新たな試みを導入したものの、それがことごとく裏目に回ってしまい、プレイヤーからもゲーム部分を褒める声はあまり聞かれない低評価となってしまった。
久しぶりのカプコン製新作本格対戦格闘ゲーム、しかも新基板と言う事で期待が大きく出回りも結構良かったのだが、ほどなくして片隅に追いやられ、各地のゲーセンから撤去され短命に終わってしまった。
ただし「箸にも棒にかからん駄作」という訳ではなく、魅力的なキャラクターやドット絵の美しさなどの評価は高い。
もう少しゲーム性を練り込んでいれば…と思わずにはいられない、惜しい作品である。
●キャラクター
・レオ(声 – 郷里大輔)
グリーディア王国国王だったがヴァルダ帝国に敗北した際、呪いで獅子にされる所を賢者達の命がけの魔法で「獅子の頭を持つ人間」に留まった屈強な剣士。
キャラセレクト時に1P側のカーソルの初期位置となっているなど主役的な位置付けのキャラ。
レベルが上がると能力が強化されるだけでなく、より強い剣と盾を入手していく。
・ムクロ(声 – 岸野幸正)
ジパング国の将軍ナオスケに仕える忍び集団の頭領。
通常技に刀や鎖鎌、大筒(大砲)を取り出して使うものがあり、タバサと並んで凝ったモーションが多い。
・タオ(声 – 浦和めぐみ)
徒手格闘に長ける少女。
故郷を滅ぼされその元凶を断つべく旅に出る。
動作が素早く、空中ダッシュや急降下蹴り、気弾を撃ち出す飛び道具なども習得するが、素手のため基本的なリーチは短め。
衣装の都合上パンツが良く見える。
・タバサ(声 – 中友子)
「超近代魔学」なるものを研究する魔女で、世界各地で異変が起こっているのを察知し調査を開始する。
浮遊する杖によるパンチ攻撃、靴に変身させている猫を使ったキック攻撃など、凝ったモーションが多い。
エンディングによっては美しい体を披露してくれる。
・ハウザー
グリーディアの地に生息する竜。
ヴァルダ帝国との関係は不明。
羊のように巻いた角とティラノサウルスのようなプロポーションを持つ。
長時間持続する炎のブレスや、あらゆる打撃に怯まず投げ技も受け付けなくなるスーパーアーマー発動技を持つ。
なお外部出演時の勝利メッセージでは(人語は話さないが)知的な部分を見せている。
・金剛
ジパングに現れる巨大な赤鬼。
正体はナオスケ(裏でヴァルダ帝国と繋がっている)の部下。
怪力で金棒を振り回し、自分の腕をちぎり飛ばしたり、腹から胃液を飛ばすなどの攻撃も持つ。
・ヌール
アイスラーンに生息し「海獣神」を名乗る、直立するオウムガイのような姿の怪物。
ヴァルダ帝国との関係は不明。
得物であるトライデントによる攻撃のほか、触手による遠隔攻撃、素早い突進技に高性能の対空技と、隙のない能力を持つ。
・ルアン
鋭い爪を持つ半人半鳥の妖女。
正体は心優しい不死鳥だが、ヴァルダ帝国により怪物に変えられ、タオの故郷を焼き滅ぼしてしまった。
回避技と飛行能力を持つため動きが捉えづらい。
・セクメト
エジプト風の国アランバードで出現。
神像にアランバードの支配者(ヴァルダ帝国と同盟を結んでいる)アルマーナIV世が乗り移った、キメラ+スフィンクスのような姿の怪物。
相手を石化する技などで攻撃する。
なお、倒した後には石像破壊のボーナスステージが待っている。
・ギギ
中ボスその1。
クリプトの遺跡を守る石像巨人。
ヴァルダ帝国との関係は不明。四本の腕それぞれに刀を持ち襲ってくる。
繰り出す斬撃はリーチが長く判定にも優れコンボに繋がるという危険なもの。
倒すと2度目のボーナスステージに。
・ブレイド
中ボスその2。
がらんどうの鎧とそれを制御するクリスタル、そして奇怪な形状の剣「アンドレイアー」を持つ。
正体はグリーディア王国親衛隊長がヴァルダ帝国によって異形化させられた姿で、レオでのプレイ時にクリスタルを破壊してしまうとバッドエンドとなってしまう。
判定やリーチに優れる技をメインに使う。
・ヴァルドール
CPU戦のラスボス。
ヴァルダ帝国の長で、魔術師風の外見の老人。
元々は善人だったらしいが、邪神を魔を倒す方法を研究しているうちに邪神に乗っ取られてしまった。
2匹の飛竜や巨大な刃を召喚し、電撃を放つ魔術を操る。
さらに一度倒すと第二ラウンドが始まり、奇怪な姿に変貌して攻撃が激化する。
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