【稼働開始日】 1996年12月
【発売元】 セガ
【開発元】 セガ
【ジャンル】 レースゲーム
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概要 (説明は『Wikipedia』より)
全世界で大ヒットした『デイトナUSA』を開発したセガAM2研が、1996年に当時開催されていた「BPR GT選手権」を題材とし開発した3Dレースゲーム。
タイトルのスカッド(SCUD)とは「Sport Car Ultimate Drive」の略称。
海外版ではミサイルの一種を想起させる為、「SEGA SUPER GT」に変更されている。
セガらしい魅力的な演出や、当時ライセンスの独占体制が敷かれていなかった「フェラーリ」「ポルシェ」といった実車が収録されている点が大きな特徴。
1997年にはバージョンアップ版である『Plus』が稼動した。
当時最高峰のスペックを誇った「MODEL3」基板を採用した最初期のゲームであるが、基本のゲーム性やUI面等は『デイトナUSA』との共通点が多い。
「インド人を右に!」の発祥として有名なゲームだが、レースゲームファンの間では新旧レースゲームの中でも屈指のマゾゲーとして知られている。
初期ROMの発売年は1996年に対し、後期ROMの発売年は『Plus』同様1997年である。
ただし後期ROMでもタイトル画面やデモ画面での著作権表記上では1996年のみ。
『Plus』では追加で1997年も表示されている。
初期ROMは完全シングルプレイ専用で、通信対戦には非対応。
初期ROMはかなりハンドルが重たかったが、後期ROMおよび『Plus』ではハンドルの重さがやや軽くなり幾分か改善されている。
各車の挙動も、無印版初期ROM・無印版後期ROM・『Plus』の全てで異なっている。
基本的には後者ほど初心者でも比較的扱いやすい挙動となっている。
各種セレクト画面において、画面上の表記が英語表記+男性英語ボイスとなっているのが初期ROM、日本語表記+女性日本語ボイスとなっているのが後期ROM及び『Plus』である。
初期ROMでは車種選択画面での車種の並びが後期ROM、『Plus』とは異なり、また各車種の性格付けを示す表示がない。
初期ROMは全コースで「グリッドに静止した状態からスタート」するスタンディングスタート方式になっている。
この内、初級(昼)と(夜)の2つについては後期ROMからは「あらかじめ加速した状態からスタート」するローリングスタート方式に変更された。
デモ画面での車とコースの組み合わせが初期ROMと後期ROM/『Plus』では異なり、バージョンの判別が可能となっている。
何れも当時の「BPR GT選手権」に参戦していた車を再現している。
ランキング欄においては、これらの車種は車両の製造国の国旗で表記される。
「MODEL3」から出力されるグラフィック群はPS2初期レベルに美麗。
しかもこのグラフィックが60fpsで処理落ち無しに動く。
流石はセガといった所か。
それでいて最大同時走行台数は『デイトナUSA』と同様の40台。
超初級と初級はローリングスタートであり、この演出もやはり凝っている。
『デイトナUSA』では外からは見えなかった自車の車内が見えるようになった。
車内にはプレイヤーの分身となるドライバーが配置されており、こちらの操作に連動してハンドルを動かしたり、対戦モード時の勝敗で嬉しがったり悔しがったりする仕草を見せる。
「HIGH SPEED」のマクラーレン・F1は運転席が車の中央にあるという非常に特徴的な作りになっているのだが、この部分も再現されている。
『デイトナUSA』同様にピットインの概念があり、ピットクルーが作業する所も細かく描写されており本格的。
筐体設定でロングラップ設定にしている場合は、タイヤのグリップ力が徐々に落ちる為、適切なタイミングでピットインし、タイヤ交換を行う必要が出てくる。
車種も魅力的なスーパーカーを実名で4車種収録。
ボディデザインはもちろん、各スポンサーやエンジン音もほぼそのまま再現されている。
公式攻略本や雑誌セガサターンマガジンの記事によると、車のエンジン音はサーキットに実車を持ち込み、実際に時速200キロ以上の高速走行も行って収録したほどの拘りようである。
一方でクラッシュ後の車体の損傷演出は実在車両の為か「小さなヘコみや歪みが確認できる」程度と『バーチャレーシング』や『デイトナUSA』シリーズと比べてややマイルドである。
コースもセガらしさがあふれる魅力的なもので、それぞれのコースに特色を持たせる事に成功している。
視覚的ギミックも非常に特徴的なものが多い。
レイアウトもコース外の舗装路肩が非常に多い、超初級以外は必ずジャンピングスポットが用意されているなど、本作ならではのダイナミックな作りとなっている。
サウンドの質も高く、特に初級(夜)のBGM「Flight in the Dark」はボーカルもさることながら非常に高評価。
上記の通りやたらシュールな車種が追加された『Plus』では、選択時に専用の効果音が鳴ったりと、細かい点にも抜かりが無い。
「逆走だあああ!」といった特徴的な演出はなくなったものの、逆走プレイも『デイトナUSA』同様に可能。
無事にゴールすると記録に逆走で完走した事を示すマークが付く点も同じ。
異常なまでに難しい操作性が本作の「レースゲーム屈指のマゾゲー」という評価を決定付けている最大の要素。
レースゲームでは操作性がゲームとしての面白さに直結している部分もある為、ここがまずいのは致命的であろう。
「EASY DRIVING」のポルシェでもハンドリングが重く、ある程度慣れないとドリフトもままならずスピンかクラッシュがザラ。
寧ろ滑り易いマクラーレンの方が簡単に思えてくるプレイヤーもいるだろう。
それでもコツが掴めないとまともに走らせる事すらままならない。
しかもこれでもまだマシな方で、実は無印版の初期ROMは更にハンドリングが重かった。
グラフィックの美麗さや魅力的な実車等、目を引かせる要素は多数あった、が…その操作性で全てが台無しになってしまった作品。
『デイトナUSA』と比べて一般ウケが非常に悪かったのは事実であるものの、一部に熱狂的なファンを生み出したのもまた事実である。
そう言った意味でも同社のレースゲームである『セガツーリングカーチャンピオンシップ』に似たようなゲーム、と評価できるかもしれない。
Ver.UP版が出たのもそうしたファンの心をがっちりと掴んだ事の証左と言えるだろう。
今は亡きゲーメストでの誤植で、後世にもその名が知られるという予想外の事態となった本作ではあるが、面白半分でプレイしようものなら、あっさりゲームオーバー画面を拝む破目になるのがオチであろう。
最低でも、ある程度他のレースゲームで腕を慣らしてから挑戦する事をお奨めしておきたい。
当時のゲーマーやレースゲームをメインにプレイしている人以外では、これで本作の存在を知ったというユーザーの方が多いかもしれない。
その名も「 インド人を右に! 」。
1997年4月30日に発刊されたゲーメスト193号218ページに記述がある。
画像検索でも当該ページの画像を容易に見つけられるだろう。
原文では「くお~!! ぶつかる~!! ここでアクセル全開、インド人を右に!」と記述されている。
意図していた文章は言うまでもなく「ハンドルを右に!」。
●車種
・ポルシェ・911 GT2(993型) 「EASY DRIVING」
ドイツ製のRR車。
一番操作が簡単とされているハンドリング重視マシン。
最高速は通常車中最低だが滑り難い為、グリップ寄りな走行をしたい人向け。
・フェラーリ・F40 GTE 「NORMAL DRIVING」
イタリア製のMR車。
あらゆる面で標準的な性能を持つ。
とりあえずどれにしようか迷った時はこれを選んでおけば何とかなる、という場面も多い。
・ダッジ・バイパー GTS-R 「HIGH TORQUE」
アメリカ製のFR車で加速重視。
グリップ力が上記2車種に劣る上、F40よりも最高速が低いが、その分加速性能が極めて高い。
・マクラーレン・F1 LM 「HIGH SPEED」
イギリス製のMR車で最高速重視。
その分グリップ力は最低で滑り易さはトップクラス。
少しハンドルを切っただけで豪快に滑り、操縦を誤れば瞬く間にスピンしてしまう。
初心者お断りの車種とは言え最高速重視なだけあってタイムアタック向けの車種であり、ベストラップを叩き出すにはこの車種を使用して操作に慣れなければならない。
・バス 「MATCHLESS」
AM2研のスタッフが窓に描かれた、ブリキ製のおもちゃのバス。
ポルシェ・911から変化。
ドリフトが他の車種と比べてもし易く、それでいて車体がかなり大きい為、ドリフトしつつ他車の進路を妨害するというプレイがメインとなる。
ある意味では初心者向けの車種。
・戦車 「SHOOTER」
搭乗口らしき場所から飛び出している頭が目立つおもちゃの戦車。
フェラーリ・F40から変化。
スタートボタンで弾を発射出来る。
弾が当たった車は多少進路が狂い、スピードダウンする。
弾を当てた回数が画面下に表示されるという謎のシステムも搭載。
・猫 「QUICK MOVE」
文字通りの猫。ダッジ・バイパーから変化。
非常に加速が良いが、当たり判定が分かり難く、かつ少しハンドルを切っただけで物凄い勢いで良く曲がる。
最高速が270km/hと最も低い。
・ロケット 「ULTRA SPEED」
ゼンマイで動くロケットカーのミニカー。
マクラーレン・F1から変化。
スタートボタンで3回まで一定時間ウィリーしながら急加速出来るロケットを使用出来る。
そのままでも凄まじい加速で僅か数秒程で全車種中で最高の最高速399km/hに達する。
その代わりハンドリングは非常に重く、まともなコーナリングには相当な減速を強いられる。
・アルピーヌ・A610
ライバルカー以外の他車で登場する車種。
プレイヤーは使用不可能。
ちなみにライバルカー含む敵車はレース中に制御不能になって壁と接触してクラッシュすることがあり場合によっては画面右のレーダーの上に表示されているRETIREカウントが増加する。
こちらから接触して意図的にクラッシュさせる事も可能。
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