【稼働開始日】 1997年5月
【発売元】 彩京
【開発元】 彩京
【ジャンル】 アクションシューティングゲーム
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概要 (説明は『Wikipedia』より)
剣と魔法の王道ファンタジー世界を舞台とする横スクロールアクションシューティング。
海外版では『THE SWORD OF DARKNESS』のサブタイトルが付く。
彩京の横STGとしては本作の前年にリリースされた『戦国ブレード』に続く2作目。
戦国ブレードがごくオーソドックスなSTGだったのに対し、本作はどちらかと言うとACTに近く、MPやアイテムといったRPGの要素も取り入れた意欲作となっている。
実力派イラストレーター・寺田克也氏のデザインによる重厚な世界観、当時のハードの限界に迫るグラフィックの描き込みは見応え十分。
しかし洋ゲーを思わせる濃さやクセの強さのためか、プレイヤー受けはそれほど良くなかった。
方向性は悪くなかったが地味、惜しいゲームなどと評されることが多い。
残機制ではなくライフ制。
敵の攻撃を受けてライフが0になるとゲームオーバーとなる。
操作系統は1レバー+3ボタン(ショット・斬り・魔法選択)。
通常のSTGとは違ってショットが主力ではなく、斬り攻撃と魔法に重点が置かれているのがポイント。
ファンタジックな世界観とシリアスな人物描写。
『探偵 神宮寺三郎』シリーズや『カルドセプト』シリーズでもおなじみの寺田克也氏による本格的なファンタジー世界。
決して華やかでも英雄的でもない、暗く陰鬱な世界観だが、三人の主人公がそれぞれの過去を清算するために魔王イフターに戦いを挑む姿は、古典的なファンタジーファンなら魅かれるものがあるだろう。
ストーリーも一貫してハードボイルドで、キャラによってはエンディングにも救いがない。
一見マトモなようでも実はおちゃらけているノリが特徴の彩京のゲームの中では、異例と言えるほどシリアスな展開である。
たまにはこういう彩京も悪くない。
当時のゲームとしてはグラフィックの描き込みも極めて緻密。
特に背景やボスの描写には力が入っており、高所から見下ろす中世ヨーロッパの街並み、石造りの城砦、ドラゴンや巨大蛇の滑らかな動きなど、リアリティと威厳に溢れた世界を演出している。
陰影の付け方を見るに、おそらく3Dモデルを2Dに落とし込んだ上で細かくドットを打っていると思われ、非常に丁寧に作られていることが窺える。
尤も、本作のような陰鬱な世界観は、派手なゲームが好まれるアーケードに必ずしもマッチしていたとは言い難く、問題点と表裏一体でもあるのだが…。
接近戦と魔法を使い分ける戦略要素。
ボスなどを除いて、基本的に敵は弾を撃つ前に呪文詠唱のモーションを取るのだが、この瞬間に斬りをヒットさせると詠唱を中断させて敵弾を封じることができる。
雑魚の弾程度であれば当たってもさほど痛くないものが多いので、積極的に敵の懐に飛び込んで連斬・上下段攻撃で強引に斬り伏せていくというアグレッシブな立ち回りが可能となっている。
全ての魔法には発動した瞬間から無敵と弾消し能力が付いており、ボムの役割を兼ねる。
また、ほとんどのボスには弱点魔法が存在するので、これを押さえて計画的に魔法を使っていくことで格段にボス戦を楽にしてくれる。
こうした接近戦を仕掛けるタイミングの見極めと、魔法攻撃を的確に使いこなすことが本作の攻略のキモであり、コツを掴めば普通のシューティングとは一味違う独特の面白さを実感できる。
正統派のシューティングに飽き足らず、アクションや魔法の要素を意欲的に取り入れた開拓精神は評価に値するだろう。
彩京のゲームと言えば『ストライカーズ1945 II』に代表される王道シューティングを想像する人が多いと思われる。
しかし本作は体裁こそシューティングの形だが、ライフ制を取っていることや敵に当たってもほぼペナルティが無いことに現われているように、アクション要素が非常に強い。
魔法選択をリアルタイムで行わなければならないため、敵に対応しながら適切な魔法を選ぶのが難しい。
また、発動がボタン同時押しというのも慣れを要する。
このため最初から使う魔法と場所を決めてカーソルを合わせておくのが最良だが、低MP消費で使える魔法がファイアかサンダーぐらいしかないので、いざ緊急回避が必要となった時に咄嗟に出しにくいという問題がある。
シューティングでファンタジーを忠実になぞった本作が、アーケードゲームに求められるゲーム性とマッチしていたかどうかにも疑問が残る。
本作のようなド直球なファンタジー世界は本来RPGやARPGとの相性が良く、長時間かけてキャラを育成し、少しずつ物語を進めていく…という作業を楽しむものという認識が一般的。
はっきり言って「プレイ時間の短さ」「テンポの良さ」を長所としてアーケードで成功してきた彩京の作風とは全く相反するものである。
こうした点から、本作の世界観に魅かれる層には「方向性は良いがボリュームが物足りない」、興味が湧かない層にとっては「どうでもいい地味なゲーム」という中途半端な印象に終わってしまった感がある。
結局のところ、ウケたプレイヤー層が狭かったことが本作が今ひとつヒットしなかった最大の原因と言えるだろう。
シューティングにアクションやRPGの要素を取り入れ、本格的なファンタジー世界に仕上げた一作だが、同時期にヒットを飛ばしていた他の彩京シューティングほどの人気は得られなかった。
「コンセプトは良かったが…」といった歯切れの悪い意見が聞かれることが多い、典型的な「あと一歩の佳作」という感じの評価に留まっている。
総じて独特、かつ地味であるがゆえにとっつきが悪く、プレイヤーを選ぶゲームになってしまったことは否定できないだろう。
とはいえ、決して悪いゲームな訳ではなく、本作の方向性がアーケードゲームの形式に上手く噛み合わなかったことは考慮すべきかもしれない。
移植版でやる分には十分に遊べる出来なので、世界観に魅力を感じられるのであれば手に取ってみても損はないゲームである。
●ストーリー
太古の邪神の復活をもくろむ魔王の野望を砕け!
いざ、剣と魔法の世界へ。
その男、ヴォーグは精霊石と呼ばれるいくつかの宝玉を魔軍が捜しているという噂を耳にし、ついに復讐の時が訪れたことを知った。
その1つ、故国ミルティアの精霊石は、密かにシルバーナ王の手に渡った事を彼は知っていたからである。
かつて、西方の王都ミルティアの聖騎士であったヴォーグは、魔王イフター率いるダティロス軍がミルティアに侵攻した際、親善使節の護衛として森の都ネラフェイに居た。
凶報を受けた彼は急遽ミルティアに引き返したが、彼の目に映った光景は人ならぬ者達の手によって破壊し尽くされた凄惨な廃虚だった。
それから七年の時が過ぎた今、シルバーナ城のひとけのまばらな宮廷に静かに降り立ち、精霊石のある王室に向かう黒い影があった。
その影こそは、あの悪しき魔王、イフターであった。
そして時を同じく、ヴォーグは魔王の持つ「魔剣ソルディバイド」の対となる「妖剣ヘイロス」を手に、一路シルバーナ城に向かうのだった。
剣と魔法に彩られた復讐の物語が、今はじまる。
●キャラクター
・暗黒騎士 ヴォーグ
もとミルティア国の聖騎士。
復讐の為闇の血を受け暗黒騎士となる。
7年前、祖国をイフターに奪われた彼は、秘術による試練に挑み「妖剣ヘイロス」を手中に収める。
闇の血を受けながら人間の意識を保つ事が出来た唯一の暗黒騎士。
・有翼戦士 カシュオン
森の都ネラフェイの住民である「天翔る民」の族長の息子。
背に大きな翼を有する勇猛な戦士で、森の守り神とされる精霊石を代々受け継いできた。
だが、精霊石を奪いに来た魔王イフターに父を殺され、復讐に燃える。
・大魔導師 ティオラ
精霊石の創造者であり、光の神殿ランフォスの守護者。
古の高等魔法や召喚術に長けた魔道師で、1000年前に光の神殿ランフォスの門をくぐった時の姿をそのまま保ちつづけている。
奪われた精霊石を封じる為に魔王イフターを追う。
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