【稼働開始日】 2000年
【発売元】 ビスコ
【開発元】 ビスコ
【ジャンル】 シューティングゲーム
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概要 (説明は『Wikipedia』より)
安土桃山時代の慶長ならぬ、日本の架空の時代「慶兆五年」を舞台にしたシューティングゲーム。
本来ならあと15年かかるところを一足飛びに豊臣家が滅亡し徳川の天下になろうとしていた時代に、反逆の戦いを挑む3人のサムライがいた設定。
世に言う「関が原の合戦」と「大阪の陣」を足して2で割ったような世界観となっている。
プレイヤーキャラは我々の知る歴史では、数々の活躍をしながらも敗者として記されている者たちである。
主役である真田幸村も元からフィクションが多分に含まれた人物ともされるが、はじめから架空の時代を舞台とした本作では瑣末な事であろう。
史実や逸話から知られている人物像から大幅に脚色が施された人物もいるが、ビスコ自身が「バサラアレンジ」と開き直っており、この妙なアレンジも一つの売りである。
ゲームシステムで言えば典型的なショット&ボムの方式であるが、ショットボタンをしばらく押しっぱなしてから放すと、敵弾ごと敵を得物で斬る超強力な溜め撃ち(溜め斬り)を使用可能。
溜め撃ちが溜まった瞬間に自機に僅かながら無敵時間が生じるため、溜め攻撃を出そうとしてミスをする現象が起き難くなっている。
こういう細かいところでプレイヤー有利の仕様にしてくれた点は評価したい。
溜め撃ちのパターン化がはまれば、あまり難しい弾避けをせず先に進むことが可能。
なお、アイテム取得で溜まるバサラゲージが最大時に溜め撃ちを行うと、一定時間さらに強力な斬り攻撃を繰り出せる「バサラモード」に入る。
とはいえ自機の速度調整は利かず、当たり判定も大きめな上、それなりに敵弾が速いので弾幕シューティングのようなギリギリでの弾避けはほぼ出来なくなっており、なるべく弾を避けないようにするのが重要とも言える。
更に当時のSTGとしては珍しく、敵本体(ボスも含む)には接触しても弾かれるだけでミスにならないシステムを採用している。
ただしエフェクト付きの突撃や斬撃などの例外もちゃんと存在する。
一方で終盤のボス戦では、弾幕に紛れて小型機が体当たりしてくる(小型機に押し出され弾に当たってしまう)システムを、意図的に逆手に取った殺し方もしてくる。
全6面の1周エンドで、1~3面は選んだキャラにより順番が変わる。
最終面ボス「大将 徳川家康」にたどり着くまでノーコンティニュー、もしくは10回以上コンティニューしていると、その家康を倒すと首級は「世良田元信」と表示され、真のラスボス「総大将 徳川家康」が登場する。いわゆる「家康の影武者」ネタ。
このフラグ管理のためか、コンティニューは1~5面はその場復活だが、最終面のみステージの最初からとなる。
このゲームの世界観は、そもそも「架空の戦国時代」どころの騒ぎではない。
敵は戦闘機や戦車や潜水艦、果ては人型ロボットで襲い掛かってくるオーバーテクノロジー過ぎる代物で、プレイヤーはプレイヤーでSF丸出しなエアバイクに武将がまたがり、生身で刀や槍や炎を纏った扇子を振るい敵機も敵弾も巨大メカも叩っ斬る無茶な世界観だが、戦っている本人達は極めて大真面目に切ったはったを演じているド直球バカゲーとなっている。
さらに、このオーバーテクノロジーぶりに関する設定や説明は、シリーズを通して一切無いのである。
他の演出では、中ボス及びボスが出て来る際大写しで顔グラが表示されると同時に口上が述べられる。
それ自体は良いのだが、何故か顔グラの下に英語字幕も表示されるため不思議な味わいのバカさを醸し出している。
シューティングゲームとしての完成度とハードルの低さ。
複雑なシステムをほぼ抜きにしてあるために複雑な事を考えずに遊べ、さらに使用回数制限もデメリットも何も無い超強力な「溜め斬り」で一部例外を除き敵弾を任意のタイミングで消去し放題。
システム面も難度面もインフレしがちだった「シューティングゲームに不慣れなプレイヤー」に厳しい時代に、シンプルかつプレイヤー有利にまとめている為に非常にとっつきやすい仕上がりになっている点は、まさに画期的であった。
かといって「溜め斬りを完璧に使いこなし的確に敵弾を消去する事が前提のゲームバランスなのか?」というとそうではなく、溜め斬りナシでもショットとボムで最後まで常識的難度で進行可能であり、プレイする上での窮屈さを感じる事はあまり無い。
また、プレイヤーキャラや自機が複数用意されたゲームの常として「キャラの強弱」の問題も付きまといがちであるが、本作は3キャラとも適度に一長一短ある性能になっている。
「雑賀孫市」が上級者向けの性能に仕上がっているものの、どのキャラを選んでも性能のベクトルが違った上で面白くプレイできる点は高く評価されるべき点であろう。
BGMの完成度やドット絵の描き込み。
どちらも、ビスコの開発作としてはトップクラスの出来。
ドット絵についてはキャラクターのイラストに負けない存在感を視認性を失わない範囲で放っており、BGMや効果音も娯楽重視の時代劇らしい雰囲気で本作の独特な雰囲気をしっかりと盛り上げてくれる。
声優は大沢事務所の豪華メンバー”が担当。
ラスボス戦で永久パターンが発覚しており、ハイスコア稼ぎの意義が失われてしまっている。
そのため、稼動開始当時のエンターブレインの「月刊アルカディア」におけるハイスコア集計が早々に打ち切られてしまった。
アーケードシューティングとしては、純粋なマイナスポイントと言わざるを得ない。
バカゲー丸出しな世界観でありながらも非常に遊びやすい、優等生のような完成度のアーケードシューティング。
純粋にゲーム性のみを考慮するとそのスタンダードさは地味とも取れてしまう部分も多少はあるが、そういった静かな点を「華やかなキャラクター」と「見た目にも派手なバカゲー要素」、そして「ゲームバランス的な完成度の高さとハードルの低さ」でしっかりとカバーしており、シューティングゲーム好きな人にはもちろん、シューティングゲームが苦手な人にも勧めたい一作である。
●キャラクター
・真田幸村(声:千葉進歩)
バランスタイプ。
基本は癖の無い性能であり、シューティングの主人公キャラに相応しい扱いやすさ。
しかし「溜め斬りの準備完了までのチャージ時間が全3キャラ中最短」という突出した特長を持ち、溜め斬りの攻撃範囲も孫市に次ぐ為に安全重視のプレイに最も適している。
威力は若干低めだが溜め斬りの使い勝手は良好で、敵弾に対する防御性能に最も優れるため、本作初心者やシューティングに不慣れな人にぜひともオススメしたいキャラ。そして、最もスコアを稼げるキャラでもある。
・雑賀孫市(声:川澄綾子)
スピードタイプ。
全機体中最も広い攻撃範囲を持つ溜め斬りが特徴的だが、溜め速度が最も遅く、ショット及びサブウエポンの攻撃力が低い難点を持つ。
雑誌『アルカディア』の攻略では一番オススメとされていたが、癖が強くかなりの修練が必要な上級者向けのキャラ。
本作のプレイヤーキャラの紅一点。
・島左近(声:速水奨)
パワータイプ。
やや攻撃範囲が狭いものの、圧倒的な破壊力を誇る溜め斬りが超強力なキャラ。
バサラモード時だとほとんどのボスの一形態を吹っ飛ばせるほど。
ショット・サブウエポンの攻撃力も高いため、意外にも初クリアには最も向いている中級者向けのキャラ。
アイテムや首級を逃しやすいのが欠点と言えば欠点。
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