怒首領蜂II(アーケードゲーム◆カプコン)

【稼働開始日】 2001年
【発売元】 カプコン
【開発元】 IGS
【ジャンル】 シューティングゲーム

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■ストーリールナポリスでの大規模な戦闘行為が終結して、6年後… 月に拠点を置く 首領蜂隊 本部は時空に残る微細な乱れを感知。調査の結果、それは過去への大量の物質移送によるものと判明。その行為に及んでいたのは、あろうことか6年前の戦いの末に暴走し廃棄されたはずの..
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概要 (説明は『Wikipedia』より)

あの弾幕縦シューティングの開祖『怒首領蜂』の続編が出た!…と思ったら、なんか色々と違う。

そんなゲームである。

一応正式な続編ではあるのだが、ケイブ上層部が現場に相談も無くライセンスを台湾のゲーム会社である「IGS」に貸与して作らせた(販売はカプコンが担当)」という経緯を持っており、ケイブ側からも半ば黒歴史に近い扱いをされている。

ちなみにIGSはこれまでSTGを作ったことが無いメーカーだった。

麻雀パズルゲームの『中国龍』シリーズ、ベルトスクロールアクションの『三国戦紀』シリーズ、格ゲーでは『形意拳(シンイーケン)』などと言ったACゲームを出しており、これらは一部を除き日本でも代理店を通じて流通していたことから当時一部のACマニアの間での知名度はあった模様。

基本的な操作体系は『怒首領蜂』と同じであり、8方向レバー+3ボタン(ショット、ボム、ショットオート連射)で操作。

前作と同様に、ゲームスタート時またはコンティニュー時に3種類の機体から1つを選択する。

赤の流星(『怒首領蜂』Aタイプに準ずる)、緑の凌駕(おおよそ『怒首領蜂』Bタイプに準ずる)、青の怒濤(『怒首領蜂』Cタイプに準ずる)が存在する。

機体選択後に「ボムモード」「エネルギーモード」どちらかの攻撃モードを選択する様になっている。

前作の「ショット強化」「レーザー強化」はこれらのモードに取って代わられる形で廃止された。

コンボの仕様も変更された。

敵に攻撃を当て続けることでヒット数が上昇し、敵に攻撃を当てた時の撃ち込み点が上昇する。

敵破壊もしくは敵へのレーザー照射が一定時間途切れるとヒット数が下がる。

また、ボス戦ではある条件下でコンボの上昇数が10倍になる「10倍モード」へ移行する。

後期に出回ったバージョンの中には4ボタン目を配線することで、自機のオプションの配列を他の自機のものに切り替えられる隠し要素がある。

自機の速度は変化しないため、赤の流星+青の怒濤オプションで高速で移動しながらワイドショットを垂れ流すといった芸当も可能。

ただし、配置切り替え中はボム以外の攻撃が一切できず、一時的に無防備になるので切り替えるタイミングには注意する必要がある。

本作最大の特徴となっているのが、ステージスタート時やクリア時にボスの名称や象徴する言葉を、画面中央に極太の明朝体で大きく表示する事である。

見た目的なインパクトも絶大であるが、それ以上にこの漢字と英語が混じった独特過ぎる、エキサイト翻訳にも似た言語センスは一種の中毒性を持っており、ネタ的に評価するプレイヤーも多かった。

この他、自機の当たり判定を「致命点」と表記したり、エネルギーモードの説明では「危機を転機に転ずるモード」といった絶妙な表記がある。

所謂「ケイブ語」とも一味違う何かがあり、良くも悪くもツッコミどころ満載さから独特すぎる趣を感じざるを得ない。

ゲームの難易度は弾幕系STGとしては低めな部類であり、初心者でも入り込みやすい。

前作と比べると序盤の弾数がかなり少ない為、ある程度弾幕STGに慣れた人なら、初プレイでも3面ぐらいまでは到達可能だろう。

自機性能は前作のショット・レーザー双方強化という調整に仕上がっており、攻撃面の不安は特に無い。

ただボムモードの場合レーザーのオーラがやや狭くなるため、後半多くなる自機追尾ミサイルへの対処がやや難しくなってしまう。

それでもクリア不能というほどではないが。

とは言え後半面はやはり弾の量が多く、弾幕STGに慣れていないと難しい部分はあるが、『怒首領蜂』を1周クリア出来る腕前があれば本作をクリアするのはそれほど難しくはない。

前作と方向性は全く異なるものの、BGMの出来はなかなかに良い。

中でも、ボス戦BGMは前作では2種類しか無かったのに対し、本作では各面毎に違ったものが用意されている。

6面ボス戦では、蜂繋がりでリムスキー=コルサコフ作曲のクラシック音楽「熊蜂の飛行」のアレンジが流れる。

なお、リムスキーの死後50年以上(2001年時点)経っている為、日本国内では著作権上の問題はない。

5面以降のボスは本作オリジナル。

いかにも強大な「蜂」といったデザインでかなり格好良い。

特に5面ボス「装甲雄蜂 ARMED BEE」は、出現直後しばらくは敵の猛攻を避ける展開となり、その後敵の本体と合体し「’’驚愕 -PANIC-’’」と表示され本格的に戦闘開始、という演出により人気が高い。

グラフィック、面構成ともに前作からの流用が非常に多い。

雰囲気からボーナスの仕組みまで大きく変わっているので、リリース当初はプレイヤーから「こんなの怒首領蜂じゃない」という批判の声が相次いだ。

また、半端にグラフィックを流用(変な模様を足す等の魔改造付き)したり、ゲーム調整の方向性が全く違うなど、名前と素材を借りた割に前作に対するリスペクトがほぼ感じられないのも問題であった。

しかし、ゲーム自体は作り込みが甘い部分も見受けられるものの全体的には丁寧に作られており、決してクソゲーという訳ではない。

難易度が抑え目で初心者の弾幕STG入門に適しているという意見や、弾にカスってゲージを貯めてレーザーボムをブチ込むという一風変わった『怒首領蜂』を楽しめるとして評価する意見もある。

現在は設置しているゲームセンターも殆ど無く、移植も一切されていない為にプレイは難しくなっているが、もし店頭で見かける事があったらプレイしてみる価値はあるだろう。

本作で使用されたIGS社製の基板「PGMシステム」のアーキテクチャは、その後『怒首領蜂大往生』『ケツイ~絆地獄たち~』『エスプガルーダ』でも使用されている。

独特な日本語表現は俗に「IGS語」と呼ばれる。

同社の他作品には「なせ降参しないか」「みんな、突っ込め?」「高位高禄御前次第だ」「慌てるな、それは幻像です」「命さながら」「逃げ延びたももの」など、数々の笑える文章表現がある。

興味のある方は是非調べてみよう。

CAVEは本作発売の時点で『プロギアの嵐』を以ってアーケード事業から撤退する予定だったことから、自社での続編開発の予定がなかった為に外部へのライセンス許諾がされたものといわれている。

…が、実際は本作のヒットによって事業継続が決定し、『怒首領蜂大往生』が作られることになったという経緯になっており、そういう意味では隠れた功労者と言えるだろう。

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