【稼働開始日】 1994年
【発売元】 彩京
【開発元】 彩京
【ジャンル】 シューティングゲーム
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概要 (説明は『Wikipedia』より)
19世紀のファンタジー世界を舞台とする、魔法とスチームパンクの縦スクロールシューティング。
『戦国エース』に続いてリリースされた彩京シューティングの第二弾。
よりキャラクター性を重視した演出を打ち出し、初心者に優しい1周目&上級者にも歯応え十分の2周目の難度設定で幅広く楽しめる、90年代シューティング中興期の良作である。
近年のケイブ系や東方Projectなどの弾幕系STGでもよく見られるようになった、キャラ自らが自機として戦う縦STGの草分けとなったタイトルのひとつでもある。
操作系統は1レバー+2ボタン(ショット・ボム)
パワーアップアイテムを取得することで3段階にレベルアップが可能。
2段階目からはサブウェポンが追加される。
ただし、最大レベルで一定量のショットを撃つと自動的に1段階レベルダウンする。
特殊攻撃(Aボタンを押し続けて離す)いわゆる溜め撃ち。
キャラごとに性能とチャージが完了するまでの時間が異なる。
7ステージ×2周の全14ステージ構成。
2P協力プレイ可能。
残機は初期で2機、40万点到達時に1機アップ(エクステンド)。
前半の3面は4つのステージからランダムに選択され徐々に難易度が上昇、後半の4面は固定となっている。
「人類がはじめて動力飛行に成功した頃のお話」という設定にしてはオーバーテクノロジーな兵器と魔法が飛び交う、ファンタジー色とキャラクター性の強い世界観が魅力のひとつ。
「自機は戦闘機やロボットといった乗り物」というのが暗黙の法則化していた縦スクロールSTGに「キャラ自らを自機として操る」という方向性を明確に打ち出したという点においても新たな可能性を切り開いた。
ただアニメチックなビジュアルで目を引くだけでなく、濃い登場人物を絡めてくるところも本作の持ち味。
腹黒魔法少女マリオン、脳筋ヤンニャン、重度のロリコン・アッシュ、筋金入りのホモ・鉄ときて、見た目が一番イロモノなバルナスが一番マトモというのが彩京流である。
様々な面白メカで主人公たちの前に立ちはだかるライバルキャラ「盗賊団トランプ」(女首領ルージュ、メカニック担当エース、パイロット担当クロード)は『タイムボカン』シリーズの敵役3人組そっくり(特に『ヤッターマン』のドロンボー一味)のパロディになっており、移植版で追加されたボイスに至っては中の人がまんま元ネタと同じ(小原乃梨子・八奈見乗児・たてかべ和也)という徹底ぶり。
ただしエースの声が見た目に反しやけに老けて聞こえるのはご愛嬌。
彩京の前作『戦国エース』で好評だったステージ間デモ、2人プレイ時の掛け合い・マルチエンディングに加え、本作ではエンディング分岐やステージ中にもカットインによるライバルキャラのセリフ演出が加えられた。
キャラクター性とストーリー性を重視したテンポの良い演出がゲームに良いアクセントを加えている。
シンプルさ・遊びやすさを押し出したゲーム性も本作の長所。
彩京シューティングの中でも初期の作品にあたる本作は後期の作品に比べると難度がかなり低く、触れば分かる簡潔な操作、短めのステージ構成も相俟って、初心者からでも気軽に遊べる作品である。
1面から彩京シューティング特有の高速敵弾「彩京弾」が飛んでくるためあまり油断していると面食らうかもしれないが、その分敵弾の数は少ないため、そこまでパターンを強く意識しなくても要所でボムを使っていけば十分にクリアが見えてくる。
上級プレイヤーにはエクストラステージとなる2周目で勝負。
本作は彩京シュー2周目の最大の敵となる撃ち返し弾が初めて導入された作品でもあり、その殺意は1周目の比ではない。
スタッフが99%クリア不可能なように作っていると言うだけあって、壮絶な弾幕がかっ飛んでくる。
キャラバランスも上手く調整されており、1周目は楽だが2周目が辛いマリオン、動作は鈍くても距離を問わず戦えるバルナス、クセは強いが使いこなせば最強のヤンニャン、鈍足ながら火力にロマンがある鉄と、バラエティに富んだ構成。
「ショットレベル最大時に一定量のショットを撃つと自動的にレベルダウンする」という一見不便な仕様は彩京シューティングのルーツである『ソニックウィングス』(ビデオシステム)時から引き継がれているものだが、この特徴的なシステムが本作の稼ぎの要。
彩京シューティングの特性としてパターン性は強いが、基本的な作りが非常にシンプル&難度もやや低めに抑えられているため、とりたてて目立った問題点は無い。
強いて言えば下記の点と、人によってはアクの強いキャラクターやパロディ要素を敬遠するかもしれない、というところだろうか。
キャラクターデザインは『戦国エース』に引き続きイラストレーターの中村博文氏が担当。
メディアミックスも行われており、夏元雅人氏によるマンガ版、三井秀樹氏による小説版が発売された。
濃いキャラたちとコミカルな演出に目を奪われがちだが、その実シンプルで奥の深い作りによって万人にやり応えのあるゲーム性も実現した、「良いキャラゲー」のお手本のような作品。
さすがに初見でも一発でクリアできるほど簡単な訳ではないが、ツボを押さえることで一気に攻略が楽になるため、上手い人がプレイすると非常に簡単そうに見えるというのもポイント。
難しいというイメージから敬遠されがちなシューティングにおいて「自分にもできそう」と思わせることの重要性を再確認させてくれるタイトルと言えよう。
当時は格闘ゲームブームが全盛を迎えていた時期だったが、『戦国エース』『ガンバード』とキャラクター色とインカムの強いタイトルで独自の立ち位置を確立した彩京は、以降も『ストライカーズ1945』『戦国ブレード』『ソルディバイド』『ストライカーズ1945 II』といったバラエティに富んだ作品を次々にリリースし、シューティングの中興に大きく貢献することとなる。
●ストーリー
19世紀ヨーロッパ。
人類がはじめて動力飛行に成功した頃のお話。
「我の断片を集めよ、我再び復活せん。我の封印を解きしものの願い、万事を叶えん。」
フランスの考古学者によって発見された伝説の「アトラーの魔鏡」のかけら。
世界各地に飛散したかけらを求めて、それぞれの願いを胸に秘めた5人の『大空の冒険者ガンバード』が飛翔する。
●プレイヤーキャラクター
・マリオン(声 : 田中千晴)・・・小さな大魔法使い
“大魔法使いマーリンの末裔” を自称する爆発元気娘。
主人公の魔法少女。
関西弁を喋るお供の魔法ウサギ・ポムポム(声 : 置鮎龍太郎)を連れている。
使いやすい反面遠距離では火力が貧弱だが、至近距離戦ではサブウェポン撃ち込みによる驚異の爆発力を発揮するインファイター。
メインショット:ワイド
サブウェポン:シューティングスター
特殊攻撃:ファイヤーラビット・・・「いってこーい!」
ボム:ウインドシェイバー・・・「ウインドシェイバー!」
・バルナス(声 : たてかべ和也)・・・空飛ぶロボット軍人
帝政ロシア軍部で開発された、そらとぶ自動兵器一号。
見た目に反して性格は熱いロボ。
サブウェポンのレーザーが広範囲をカバーしてくれるため、距離を使い分けることで力を発揮する中級者向けパワーファイター。
メインショット:ストレート
サブウェポン:バルナスレーザー
特殊攻撃:ロケットパンチ・・・「ロケットパーンチ!」
ボム:バルナスバスター・・・「バルナスバスター!」
・ヤンニャン(声 : 松井菜桜子)・・・中華な女魔道士
怪しげな仙術の使い手で人かどうかも定かでない美貌の女導士。
孫悟空のような謎の美女。
高いスピードと優秀な接近攻撃・ボムを揃えているが、攻撃範囲にクセがありやや扱いが難しいテクニカルファイター。
メインショット:ストレート
サブウェポン:レイソウ剣
特殊攻撃:如意棒地獄突き・・・「やあっ!」
ボム:分身突撃隊・・・「ぶんしーん!」
・鉄(声 : 摩耶朔乃助)・・・愛と根性の宮大工
若い頃恋人を事故で失い、以来ずっと40年間独身を貫いた孤高の宮大工。
自ら「じじい」と名乗るじじい。
遠距離でも近距離でも高い攻撃力を発揮できる重火力キャラで、特に重なり撃ちのサブウェポン連射はマリオンと同じく強力。
メインショット:ストレート
サブウェポン:爆竹ロケット
特殊攻撃:ドラゴンロケット乱れ撃ち・・・「乱れ撃ちでぃ!」
ボム:大江戸大火災・・・「くらいやがれっ!」
・アッシュ(声 : 置鮎龍太郎)・・・大空の冒険科学者
科学者、考古学者の肩書きを持つクールな冒険家。
ロリコン。
彩京シューティングに謎の勢力を張る変態の一人。
キャッチコピーの通り最高の機動力を持つキャラだが、攻撃範囲と溜め撃ちの使い勝手、火力がいずれもイマイチ。
メインショット:ストレート
サブウェポン:光線銃X1
特殊攻撃:波動弾・・・「発射!」
ボム:超科学爆弾・・・「ボンバー!」
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